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【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】別館
285:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 15:21:13.71 ID:1bkkuQ1x0 『忌部』さんについて 長くて豊かな白い髪に、整った面立ち、育ちの良さが伺える柔和な表情。な、男性。 イケメンかよ。 生前は『神』扱いされて死を迎えたが、実際には塚で眠っているだけだったので『神』としては未熟過ぎる、 のを自分で理解しているため、自ら方々に教えを請うて、力量ある『神』になるべく修行・勉強・研鑽中。 見た目がイケメンなら姿勢までイケメンかよ。 元々は、一地方にのみ群発するローカル神社が一社の忌部塚に眠っていたひとりか、ソレをベースにした細胞群体ならぬ霊魂群体か。 とはいえ彼自身が本当に『忌部氏』かどうかは同定が不可能なので、結局は『便宜上呼称』でしかない。 (しかし「〜かどうかの同定は不可能」とそんなコト言ったら他の連中もソウであり全て『便宜上呼称』で終了する) なお、当該『一地方』自体はそこそこに旧い歴史があり、弥生時代の遺跡やら古墳跡やら城跡やらあったりするレベルで、 同地方を開拓してきたのは『忌部氏』だということに間違いはないらしい。
286:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 15:22:07.66 ID:1bkkuQ1x0 ――以下ちょっと長くなる読まなくても今後エピソードに差し支えのないハナシ―― その『ローカル神社が一社(かつ式内社の有力候補)』は、当時「破れ社」と言ってもおかしくないぐらいのボロ具合で鈴も賽銭箱もなく手水は腐敗、社殿自体に神もナニも棲みついていなかったのだが、境内の小さな稲荷社には小さな白い山犬の精が棲みついていたらしい。 そんな折、急に足繁く通い始めた人間がいて、その人間は疲れきった様子で稲荷社に身を潜ませると暫しぼーっとしては、札を賽銭箱がないため像の隙間に捻じ込んで帰っていった。 続くそんな行動に精たちは、自分たちが神として求められているのかもしれない(そんなつもりは全くなかった)、でも棲みついているだけだから「神」としての力量など持っておらずこの小さい社すら扱えない(寧ろ静かな暮らしの邪魔して申し訳がない)、モノをもらった以上は返さねばならない(ショバ使用料として捻じ込んだだけの金にそこまで思い入れて欲しくなかった)、と考え始めて。 そして思案した結果が、ジブンたちが「神」を出来ないのならば、代わりに「神」が出来そうな存在を捜そう(イロイロ参ってたとはいえ当時の霊感もへったくれもなかったおれよ、ほんとナニさせてくれてんだ)、というもの。 ソレが、忌部塚に眠ってて、過去に『神(或いは人柱)』として死を迎えた、『忌部』さんだった。 招致されたのが小さな境内稲荷社だったため本殿はガラ空きのまま(後に埋まることになるのだがソレについては別の機会に)だが、力量としては未熟ながらも一応は『神』として収まったためか、その神社は急速に復旧・復興していくこととなる。荒れ果てていた社殿は修復され手水も水が流れ始めるようになり、鈴も鈴緒も賽銭箱も実装され、果てには「地域で一番高い場所にある神社!!」と銘打たれたため参拝客の足も多くなった。 しかし、かつて訪れていた人間が復興の時間に立ち会うことはなく、 イロイロ知ったのは、就職→厄介な体質への変化→なんやかんや離職と経たあとで、 訪れていた当時から数年後のことになるんだ。 ――――
287:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:33:07.23 ID:1bkkuQ1x0 祝詞の話 それは姉が不妊治療で妊娠したは良いものの切迫流産で病院に半年ほど入院していたときのこと。 私は当時ニートをしていたため、暇潰しの一環で姉のところへちょくちょく見舞いをしてたんだ。 そんなある日、予約していた民俗学や脳神経に生理学の本を取りに行こうと図書館へ行ったのだが、 館内を歩いていて、ふと視界に入ったのは、各祝詞が一大集結しているらしいやたらに分厚い本。 題名こそ覚えていないが背表紙に『禁帯』があったので、手に取って近場のイスに座って目次を眺めていたんだ。 「(すんげぇな、こんなどうでもいいことにまで祝詞があるのか)」だの、 「(っていうか、今の神道って、明治維新時に日本を統一国家にさせよう一環で作り上げられた謂わば『明治神道』だろ?今の神社作法だって殆ど明治時代に作られたモノだし、そもそも信仰体系で言うなら日本は神仏習合で民間レベルならしだらがいい例のフリーダムさだったワケだし。神社で禰宜さんが唱えるなら察してはくれそうだが、パンピーがナニもないトコでコレを唱えたところで実際にかみさまたち動いてくれるのか?プラセボどまりじゃね?知識としては十二分に面白いけど)」だの、取り留めないことを考えながら眺め続けていたら、 ふと『妊娠・出産の祝詞』なるものを発見。
288:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:34:19.80 ID:1bkkuQ1x0 ぺらりとページを捲ると、そこには祝詞こそ書いてあったが、神様の名前は非記載で『当該社の神』とあるだけ。 「(なるほど。ココに使う神社、或いは信仰している神の名前を挿入して、唱えるワケか)」 と、ひとり得心し、姉への思いやり2割、好奇心8割で早速唱えようとしたが、ふと思いとどまる。 どのかみさまの名前を借りるべきか。 「(妊娠出産って言ったらサクヤヒメだよなぁ・・・でもこの前しだらのKVの件でサクヤヒメにはお世話になったからこんな好奇心に付き合わせてしまうのは非常に申し訳が立たない)」 と、考えた結果、そうだ、しだらにしよう、と。 「(別にいいよね、アイツなら。投獄されていた神社名での『――明神』として用いれば。一応間違ってはいないワケだし)」 と、内心だけでその祝詞を唱えてみたんだ。 そしたら、
289:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:35:16.73 ID:1bkkuQ1x0 どこからともなく必殺仕事人のBGMが耳の中に流れ出し、意識の一角が急に暗くなりだす。 そして暗くなった一角にはなんだかよくわからない大木が突如として出現し、 その後方からしだらが、やけに高い下駄を履いて火のついた二本の蝋燭を白い鉢巻で頭に巻きつけ、口には太長い釘を銜え、右手に金槌、左手に藁人形を携えて血走った眼で現れて。 唖然呆然とするおれを全く気に掛けずに、 意図はわかるが意味がわかならない大木へと近づくと、 徐に藁人形を大木に押しつけると、口に銜えていた釘を外して、 藁人形に、金槌で、釘を思いっきり打ち付けて叩き込み始めた。 『死ねぇえぇエえェええ!! 胎の赤子に仇なすもの全て死ねぇえェエエえぇ!!!!』 思いっ切り丑の刻参りスタイル。
290:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:36:06.70 ID:1bkkuQ1x0 他にもっと遣り方はなかったのか、とか、 わざわざ応える必要もなかったんじゃね? とか、 そもそも丑の刻参りって他者にミられたら呪詛返し食らってアウトじゃね? とか、 つかどっから必殺仕事人のBGMを知ったんだよ、とか。 つまり一言に集約すると、おまえナニやってんの!!? で、 いつの間にか『儀式』は終了して暗くなってた意識の一角はナニも無くなっていた。 が、矢鱈疲れてしまった私はそれ以上に祝詞の本を読み進める気も失ってしまい、 もう、好奇心で祝詞を読むのは辞めようと、心の底から思ったんだ。 祝詞の発動代償:アイツの不意打ち行動発想に付き合う気力と体力 それは、とても、とても重い代償なんだ。
291:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:37:32.01 ID:1bkkuQ1x0 余談 結果的には早産(それでもギリギリまでもたせていた)で赤ん坊は専用集中治療室に入ったものの、 生後ゼロ日で口に挿入されていた酸素チューブを自ら引っこ抜くという荒業を成し遂げ、 ベテラン看護師さんや助産師さん方を驚愕させるという伝説を打ち立てました。 体は弱くても胆力はn人前の赤ん坊。 そして今ではどこにでもいる立派なクソガキへと成長しました。 現代の医療技術は素晴らしいし、ソレを享受できるのはもっと素晴らしい。 知己の日系ブラジル人は「医者に行って風邪薬を処方されたら三日間昏睡したから二度と医者に行かない」と。 彼女の住まいはサンパウロなので決して田舎ではないはずなのだが、 ソレを聞いて「何故未だに呪術医が存在するのか」がよくわかりました。 地域が鄙びて医療を受けられない、だけではなく、 そもそも「医療技術(と使う人間)が全くアテにならない」という、ね。
292:739◆Al9ki804zA2021/03/21(日) 22:38:26.71 ID:1bkkuQ1x0 オマケ コレを書こうと思ってから就業中でも帰路でもアレコレ考えていたのだが、 「(っていうか、アイツまがりなりにも『神』なんだから、しだら(向こうでは、はぐれもの、という意らしい)って呼ばないで『――明神』ってキチンと呼ぶようにしたほうが、)」 と、考えていたら、 カオの右半分の表皮が急に麻痺り出して、 バリバリと罅割れるような錯覚に襲われたあとで、ぶわっと粟立つようなカンカクに陥って。 どうやら、しだらが反射的に『さぶいぼ』を出した、ようだった。 おまい、そんなにおれに『かみさま』扱いされるのがイヤなのかよ、知ってたけど。 だって、おまいが最初おれにKV(カミバイオレンス)していた理由っていうのが、 “ナニをしてもツいた人間がジブンに怯え切って何度も何度も逃げようとしたり諦めさせようとしたことに憤慨して”だもんなぁ。 おまい、コレほんと未だにふざけんな、だよなぁ。 いくら『感』が発生して五年半弱経過して多少の整理はつけられていたとしても、 旧神クラスの土着神の重圧感(敵意も悪意も害意も無いとしても)なんて、出自も育ちもパンピーな心身には毒過ぎるだろ。 たとえるなら“野生のグリズリーにじゃれつかれる恐怖”だぞ。 コレで一体どうしたらのか「距離が詰められる」と思い込めるのか説明して欲しいわぁ。 ハァ。 ――――
293:739◆Al9ki804zA2021/04/23(金) 23:24:23.24 ID:gaK0rW+90 三輪明神は鶏肉がお好き、な話 いや、鶏肉だけじゃなくて卵寿司や中華団子にも、そもそも中型スーパーの広めな惣菜コーナーで色めきたったけど。 じゃなくて。 とある日の退勤後のこと。 そのときは厚すぎる曇天で、予報では夕方以降が雨で、実際いつ雨が降り出してもおかしくない状況だったんだ。 会社帰りには大体買い物をするのだが、基本のアシが自転車であるため、途中で雨が降ったら結構困ることに。 なので、その日は買い物せず、自転車に乗ったらまっすぐに家に帰ろうと思ったんだ。冷蔵庫に納豆が二連残っていたからそれで凌ごうと思って。 そして駅の駐輪場から出て、付近の安全確認をして、さあ帰ろうと自転車に跨って漕ぎ始めたら、 三輪明神が、どこか、少し、残念がって寂しそうに、云ってきた。
294:739◆Al9ki804zA2021/04/23(金) 23:25:17.18 ID:gaK0rW+90 『今日は・・・とりパはせぬのか・・・?』 ・・・どこからそんな単語用法を学んだのか、ちょっと、問い詰めたい気分になったんだ。
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