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【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】別館
289:739◆Al9ki804zA 03/21(日) 22:35 1bkkuQ1x0
どこからともなく必殺仕事人のBGMが耳の中に流れ出し、意識の一角が急に暗くなりだす。
そして暗くなった一角にはなんだかよくわからない大木が突如として出現し、
その後方からしだらが、やけに高い下駄を履いて火のついた二本の蝋燭を白い鉢巻で頭に巻きつけ、口には太長い釘を銜え、右手に金槌、左手に藁人形を携えて血走った眼で現れて。
唖然呆然とするおれを全く気に掛けずに、
意図はわかるが意味がわかならない大木へと近づくと、
徐に藁人形を大木に押しつけると、口に銜えていた釘を外して、
藁人形に、金槌で、釘を思いっきり打ち付けて叩き込み始めた。
『死ねぇえぇエえェええ!! 胎の赤子に仇なすもの全て死ねぇえェエエえぇ!!!!』
思いっ切り丑の刻参りスタイル。
290:739◆Al9ki804zA 03/21(日) 22:36 1bkkuQ1x0
他にもっと遣り方はなかったのか、とか、
わざわざ応える必要もなかったんじゃね? とか、
そもそも丑の刻参りって他者にミられたら呪詛返し食らってアウトじゃね? とか、
つかどっから必殺仕事人のBGMを知ったんだよ、とか。
つまり一言に集約すると、おまえナニやってんの!!? で、
いつの間にか『儀式』は終了して暗くなってた意識の一角はナニも無くなっていた。
が、矢鱈疲れてしまった私はそれ以上に祝詞の本を読み進める気も失ってしまい、
もう、好奇心で祝詞を読むのは辞めようと、心の底から思ったんだ。
祝詞の発動代償:アイツの不意打ち行動発想に付き合う気力と体力
それは、とても、とても重い代償なんだ。
291:739◆Al9ki804zA 03/21(日) 22:37 1bkkuQ1x0
余談
結果的には早産(それでもギリギリまでもたせていた)で赤ん坊は専用集中治療室に入ったものの、
生後ゼロ日で口に挿入されていた酸素チューブを自ら引っこ抜くという荒業を成し遂げ、
ベテラン看護師さんや助産師さん方を驚愕させるという伝説を打ち立てました。
体は弱くても胆力はn人前の赤ん坊。
そして今ではどこにでもいる立派なクソガキへと成長しました。
現代の医療技術は素晴らしいし、ソレを享受できるのはもっと素晴らしい。
知己の日系ブラジル人は「医者に行って風邪薬を処方されたら三日間昏睡したから二度と医者に行かない」と。
彼女の住まいはサンパウロなので決して田舎ではないはずなのだが、
ソレを聞いて「何故未だに呪術医が存在するのか」がよくわかりました。
地域が鄙びて医療を受けられない、だけではなく、
そもそも「医療技術(と使う人間)が全くアテにならない」という、ね。
292:739◆Al9ki804zA 03/21(日) 22:38 1bkkuQ1x0
オマケ
コレを書こうと思ってから就業中でも帰路でもアレコレ考えていたのだが、
「(っていうか、アイツまがりなりにも『神』なんだから、しだら(向こうでは、はぐれもの、という意らしい)って呼ばないで『――明神』ってキチンと呼ぶようにしたほうが、)」
と、考えていたら、
カオの右半分の表皮が急に麻痺り出して、
バリバリと罅割れるような錯覚に襲われたあとで、ぶわっと粟立つようなカンカクに陥って。
どうやら、しだらが反射的に『さぶいぼ』を出した、ようだった。
おまい、そんなにおれに『かみさま』扱いされるのがイヤなのかよ、知ってたけど。
だって、おまいが最初おれにKV(カミバイオレンス)していた理由っていうのが、
“ナニをしてもツいた人間がジブンに怯え切って何度も何度も逃げようとしたり諦めさせようとしたことに憤慨して”だもんなぁ。
おまい、コレほんと未だにふざけんな、だよなぁ。
いくら『感』が発生して五年半弱経過して多少の整理はつけられていたとしても、
旧神クラスの土着神の重圧感(敵意も悪意も害意も無いとしても)なんて、出自も育ちもパンピーな心身には毒過ぎるだろ。
たとえるなら“野生のグリズリーにじゃれつかれる恐怖”だぞ。
コレで一体どうしたらのか「距離が詰められる」と思い込めるのか説明して欲しいわぁ。
ハァ。
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293:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:24 gaK0rW+90
三輪明神は鶏肉がお好き、な話
いや、鶏肉だけじゃなくて卵寿司や中華団子にも、そもそも中型スーパーの広めな惣菜コーナーで色めきたったけど。
じゃなくて。
とある日の退勤後のこと。
そのときは厚すぎる曇天で、予報では夕方以降が雨で、実際いつ雨が降り出してもおかしくない状況だったんだ。
会社帰りには大体買い物をするのだが、基本のアシが自転車であるため、途中で雨が降ったら結構困ることに。
なので、その日は買い物せず、自転車に乗ったらまっすぐに家に帰ろうと思ったんだ。冷蔵庫に納豆が二連残っていたからそれで凌ごうと思って。
そして駅の駐輪場から出て、付近の安全確認をして、さあ帰ろうと自転車に跨って漕ぎ始めたら、
三輪明神が、どこか、少し、残念がって寂しそうに、云ってきた。
294:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:25 gaK0rW+90
『今日は・・・とりパはせぬのか・・・?』
・・・どこからそんな単語用法を学んだのか、ちょっと、問い詰めたい気分になったんだ。
295:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:27 gaK0rW+90
それはそうとして。
確かに、付近数日はほぼ鶏胸肉食だった。だが、それは単に、おれの業務内容が肉体労働に近いものがあるから筋肉修復のためにコスパの良い鶏胸肉をチョイスし続けていただけであって、決して「セルフぼっち鶏胸肉パーティ」とかではないんだ。
そして何より、今にも降り出しそうな空を目の当たりにしては、そもそも買い物に行こうという気が失せているんだ。
なので、こう返したんだ。
「(じゃあ、天気をもたせてくれますか?雨降ったら買い物そのものが出来ないので)」
冗談7割くらいで。
296:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:29 gaK0rW+90
そしたら、三輪明神の気配に、すこーしだけいやーなカンジの愉悦が滲んだかと思ったら、気配自体も希薄になり、
厚かった雲が、急に薄くなった。
297:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:32 gaK0rW+90
その光景に思わず「()」な曖昧スマイルになってしまい、
仕方なく、しょうがなく、自転車を走らせてスーパーに向かって、鶏胸肉とキャンベル缶のミネストローネを買い、さっさと引き上げたんだ。
そして、マンションの駐輪場に自転車を止めている最中に雨が降り出してきたのは、なんかもうオヤクソクが過ぎるんだ。
298:739◆Al9ki804zA 04/23(金) 23:34 gaK0rW+90
そして、そんな二ヶ月くらい前の出来事を思い出したきっかけは、今日の夕食。
半額だった鶏胸小間肉をキャンベル缶のクラムチャウダーに脳死投入していたら、三輪明神が急に気配を強めてキて。
なんだと思ったら、どこから取り出したのか木製の匙が入った木製の椀を両手で持って、鍋のスープを見てて、コッチを見て。
・・・完成したスープを先ずはジブン用のボウルによそって、ソレを椀に重ねてサーブするジブンのお人よしさ具合に、たまーに辟易する。喜色の滲んだ気配で「まぁいいか」と思ってしまうから、尚更に。
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