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【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】別館
333:739◆Al9ki804zA 08/04(水) 15:25 EX1/671z0
――以下ちょっと長くなる読まなくても今後エピソードに差し支えがないかもしれないハナシ――
カラダを縮小させるという発想すらなかった昔。
いつものように山を巨体で這いずり回っていると、どこからか金切り念が発されており、それにどこか覚えがあって興味本位で向かってみれば、山中のやや開けた場所で男二人が女一人を暴行していた。
その様相にかつてのジブンを重ねてしまい、わけのわからない激しい情動に襲われた。
憎悪、憤怒、悲哀、そして、絶望。それらが己のものなのか、或いは同調して流れ込んできたものなのか、『彼女』にはもうわからなかった。
ただ、覚えた強すぎる情動は全身を駆け巡り、山中を這いずっている幽体が、可視化された。
暴行乱交中に突如として現れた、白い巨大蛇の正面顔。
男どもは大慌てで逃げ出し、その場に残されたのは息も絶え絶えな女が一人。
蛇は男は追わず、眼前の女を見ていた。
男どもが持っていた情念は『恐怖』。それは、蛇自身にも覚えがよくあるものだった。特に「向けられる」ことに関しては。
しかし、女が持っていたのは、巨大蛇に抱いたものは、それと全く異なるもの。
――うつくしい……
それを最期に、女の念が切れた。
蛇は、その向けられていた念に、微かながらも今まで覚えたことのない種の『快』を覚えた。
そして、事切れた女に構うこともなく、覚えた『快』を持ったままその場を去っていった。
変わらずに生き続けていると、あの『快』をまた味わいたいと思うようになり、あの念はあれと同種のイキモノでないと持たない、ということを経験で知っていく。
そうして、似たような念が集まり、自身も棲み良い場所として見つけたのが、厳島神社だった。
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