【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】別館
379:739◆Al9ki804zA 07/02(土) 21:18 Daj6YctMsAA

酷暑続きで思い出したこと。

去年の夏期休暇期間(八月中旬)も、今のような、いや、七月丸々でじっくりと熱がアスファルトやらコンクリートやらに吸収され切っていたため、体感今よりキツい酷暑が続いていた。
況して私が住んでいるのは、n階建てn階の角部屋という夏に殺されるためにあるような場所。他の部屋より多い外壁は太陽光を思う存分に吸い切るので、エアコンを忘れようものなら、人間も死ぬが電子機器も死ぬ。そんなレベルである。(なおこの物件までに至るエピは長くなるので気が向いたときに。ちな、夏以外は基本的に快適で管理会社の対応も素晴らしい)

そして、休暇も終わりに近づき始めたの夜のこと。
私は、寝ようとベッドで横になってはいたものの、うんうん唸るだけで入眠までには至れなかった。眠いのに、この前年に管理会社が無料新調してくれたエアコンも大して効かない暑さで寝付けず、相当に苛立っていた。

眠いのに眠れないフラストレーション。終わりの見えない暑さとあいまって軽い恐怖が生まれ、直後に莫大な怒りが発生するのは最早お決まりパティーン。
「(なんでいつまで経っても暑いままなんだよ、バカヤロウ・・・!! いい加減にしやがれよクソが!!!)」
当たる場所もないのに、八つ当たりし始める体たらく。ハラに溜まった怒りを口から超高周波音で吐き散らかし始める。まぁ、当たる場所がない、もとい危害対象がないからこそ敢えてやったというのもある。ソレは相当量のエネルギーを使うので、やれば疲れて寝落ちするだろうという打算もあって。

ややして粗方エネルギーを使い切ると、不意にしだらに上体を抱き上げられた、気がした。

そして、コイツにしては珍しく、しおらしく、どこか申し訳なさそうな気配だった。

――ごめんなぁ でもな おれら焼き殺さなくちゃいけないんだ

云われたその内容。
ちょうど無駄なエネルギーが消費され切ったのもあって、アタマの一部分が妙な冷静さを持った。
「(そうなの。ちゃんと目的があるのね。目的があるなら、達成されたら終わるってことなん、)」
そして、妙な冷静さから妙な安堵が生まれ、私は意識なくスッと闇に落ちていった。ただ、しだらが上体を抱く気配だけは、続いていたと思う。

迎えた朝も、やっぱり暑いままだったが、
怒りのままに暴れ切ったせいか、多少なりともスッキリした気分で起きられた気がした。


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