怪談:妖しい物の話と研究


トップ ■過去ログ倉庫に戻る■ 全部 1- 最新50 dat
このスレッドには書き込めません

【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】★4
263 :店長 ◆jm3OWqb0ac :2010/03/12(金) 12:31:21 ID:7AhORwL10
さて、何から書いてよいものやら……。

加代さんは時々、「はしご……」とつぶやく時があったんですよ。
その意味するところがわからず、聞いても教えてくれなかったんですが。
二日ほど前、いつものように加代さんにお茶を出そうとしたら、
また加代さんが「はしご」とつぶやいたんです。
その瞬間、白昼夢というんでしょうか、眼球のすぐ前で映画のスクリーンがあるみたいな、
起きているのに夢を見たような感じです。

加代さんが結核とわかると、加代さんの父親は加代さんを土蔵の2階に移しました。
でも土蔵にはトイレがないので、トイレの時は、母屋へ行くわけです。
加代さんは気を使って、下働きの人達用のトイレを使っているんですが……。
裏庭みたいなところにあるトイレに行った帰り、たまたま外から帰ってきた弟とバッタリ会い、
もともと仲のいい姉弟ですから、しばらく話しこんだんです。
それを父親にみつかってしまいました。
「おまえは大事な跡取りに、病気を移す気ぃか!」と怒鳴られ、平手打ちまでされ……。
土蔵の2階に放り込まれると、「便所ならこれにせい!」と蓋付きの桶を投げ込まれ、
蔵の2階に上がるためのはしごを外されてしまいました。
完全に閉じ込められてしまったんです。
閉じ込められた加代さんの唯一の慰めが、せいきちさんでした。
こっそり蔵に入っては、はしごをかけて2階に上がり、加代さんにお菓子やタマゴを届けてくれました。
でもそれも父親にみつかってしまい、「病人のくせに男を引っ張りこみやがって」と、
蔵の戸にカギをかけられてしまいました。
以降、蔵の窓だけが、加代さんを外界とつなぐ唯一の場所になってしまいました。

文章にすると長くなりましたが、夢?は10秒もなかったと思います。
80年前の話とはいえ、父親に対して、殺意をおぼえましたよ。
実の親の仕打ちかと。本当に金、金、金しか頭になかった人だったんでしょうね。
これを書きながらも、怒りでいっぱいで、涙が出ました。
さっきお供えのまんじゅうとお茶を置きながら、「自由にしていいんだからね」と声をかけました。




過去ログ倉庫に戻る 全部 前100 次100 最新50