ヒッチハイク
251 [sage]08/08/26(火) 01:34:43 ID:+F2zfi0a0
貧乏旅行やってて旅先で金がなくなり、仕方なく最寄の港まで徒歩とヒッチハイクで行ってやろうと試みたときのことだ
ところが時間はとっくに0時を回っていて車なんか走っちゃいない。ついでに周りに民家もない

しかたなく畑に囲まれた道をへとへとになりながら歩いていると、遠くの街灯の下に人影が見えた
周囲は真っ暗で、街灯が落とす光の中にだけ黒っぽい人影が雑踏のように現れては消えていく

近くに人が住んでる気配も無いのに、しかもこんな時間に、なんでこんなに人が出歩いてるんだ?
疑問に思いながら街灯へ向って歩いて行こうとしたとき、後ろからエンジン音が聞こえた
いい加減、疲れ果ててた俺は必死で手を振って車を止めようとした。が、無情にもそいつは俺の目の前でスピードを上げて走り去った

がっかりして立ち尽くしていると、もう一台車がやってくるのが見えた
思い切って車道に出て思い切り両手を振ると、ようやく車は止まってくれた。運転手が、「どうかしましたか?」と聞いてくる
俺は旅費がなくなって目的地まで歩いて行こうとしていた旨を告げると、運転手は苦笑しながら助手席に乗せてくれた
そして道すがら、彼はこんなことを言い出した

「てっきり幽霊かと思ってびっくりしましたよ」
「ええっ? そんなに生気なく見えました?」
「いや、それもあるけど(笑) この道は有名なんですよ。よく出るって」

前の車が急にスピード上げたのは、俺を幽霊と間違えたせいだったのかも知れない

「けど、心霊スポットにしては賑やかなところですね。さっきも大勢人が歩いてたし」

俺がそう言うと、運転手は急に顔を強張らせた。そして、

「ここ、合戦場だったらしくて……それ、本当に人でしたか?」

もし、車が来ないまま、あの街灯の下へ歩いていったら、俺は何を見ることになったんだろう?
795 [sage]09/02/08(日) 11:27 ID:WUDrfygV0
>>251
そこには敵大将を討ち、殿より恩賞を貰う>>251の姿が
「いやー、お金が無くなって途方にくれていたけど
世の中って本当に分からないものだね」
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