迎え火
268 [sage]08/08/29(金) 04:11:13 ID:cZXOW4pm0
怖い話ではないんだけど、体験談を。

高校生の頃、実家での話。
お盆の時だ。
うちの地元の風習で、盆の夜には家の前で火を灯す、というのがある。
(他の地域でもやるとこも多いと思うが。所謂迎え火、送り火ってやつ。

お盆の間、家の前で火を灯すのは俺の仕事で、その日も俺は毎年やるように迎え火を灯した。
なにごともなく終えて、じいちゃんに報告して、さっさと2階の自室に戻ろうと思った。
それで、階段をのぼるわけだが、階段の上に誰かがいる。白くぼうっと体の輪郭が見える。
暗闇の中に立って、俺を見下ろしている感じ。

でも、おかしいんだ。じいちゃんは居間にいたし、両親はキッチンでまだ夕飯食ってた。
うちには他に誰もいないはずだ。
その「誰か」は、顔は見えなかったけど、俺を見てるように思えた。
泥棒かと思って俺は内心そうとう焦ったんだけど、強がって「誰だ!」って叫んだ。
すると、それはじいちゃんの部屋の方向にすっと消えた。足音はしなかったように思う。
俺はそれを追いかけてじいちゃんの部屋に入った。
今思うと我ながらよく追いかけたもんだと思う。

じいちゃんの部屋には、誰もいなかった。ついでに、2階の全部屋も覗いたけど、
誰も居なかった。
でも、なんでかな、あまり怖くはなかった。お盆っていう時期が時期だけに、
すんなり「ああ、誰か帰ってきたんだ」って思った。
じいちゃんの部屋に入っていったから、大好きだったばあちゃんかもな、なんて思って。

普段、幽霊を見たりなんてまったくないから、俺はそーゆーの信じてなかったし、
今でもよく分からないけど、あの体験があるから、頭ごなしに否定って出来ないなって思ってます。

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