いやな友人
989 [sage]09/03/19(木) 23:35:04 ID:yMSZqEJv0
専門学校に入学して知り合った友人のなかにYという奴がいた。
Yは良く言えば社交的、悪く言えばお調子者で嘘つきで適当な奴だったので
俺は入学当初からYのことをあまり好きではなかった。
入学した年の夏休みにたまたま友人のアパートに集まった5人で肝試しに行くことになり、
その中にYも居たのだが、Yは突然「俺には霊感があって幽霊が見える」と言い出しみんなの注目を集めた。
俺は「また適当な事言ってるなぁ」と思いYの話はあまり聞く耳を持たなかった。
そして車で一時間ほどの場所にある湖のほとりの廃病院に到着した。
990 [sage]09/03/19(木) 23:35:37 ID:yMSZqEJv0
するとYは「あの窓のところに誰かが立ってる」とか「赤ちゃんの泣き声が聞こえる」だの言い出したが、
Yがいう窓を見たって何も見えないし、泣き声だってまったく聞こえない。まあ誰にも見えないはずだ。
こいつは何を言ってるんだ、と俺は冷ややかな目で見ていたのだが、
他のやつらはYの話に乗って恐怖におののいていた。
Yは「中に入ってみようぜ!」とみんなを促したが、俺はムカついていたこともあり断固反対した。
場の空気を壊して申し訳ないと思ったのだが、
病院のボロボロの入り口の奥にある多数の視線や手招きをする腕が嫌だったし、
なによりここにきて気になりだしたYの足元をうろつく色とりどりのモヤ?が良いのもではない気がしたからだ。
Yは霊感があると言っているわりにはそういうものは目に入らないのだろうか?と思った。
その日はそこで帰ったのだが、わからずにあのまま病院に入っていたらと思うとゾッとするし、
嘘をついて霊感があるなんて言って、友人を危険な目に合わせようとしたYには腹が立った。
みんなも肝試しはいいが十分に気をつけてほしい。下手に憑かれたら大変だしね。
991 09/03/19(木) 23:36:12 ID:yMSZqEJv0
Yは今までも霊感があると嘘をついて自分が輪の中心になろうとしたのだろう。
実際、霊感がありもしないのに霊感があるなんて嘘をついていると、
自分を助けてくれるんじゃないかと勘違いした霊がその人をたよって憑いてきてしまう事がある。
でも普通の人の霊等は自分たちを感じてくれないことを悟って離れていくのだが、
動物霊や死んでから何十年、何百年たった既に人の形をしていないような低級な霊にはそれがわからず、
いつまでも憑いたままになってしまうことがある。
憑くにしても守護霊や通常の人の霊は人間の体と同じ位置か上に憑く事が多いのに対し、
低級な霊は下半身や足元に憑く場合が多い。そしてその低級の霊たちはまた同様な霊を連れてきて
それがだんだん増えていく。やがてその人間の性格や性質にも影響を及ぼすと俺は思っている。
Yはその典型なんだろうと思う。嘘に酔っていくというか、
嘘を吐き出した途端に自分の中で本当のことのように話を続けてしまうみたいな。
そんなYだが卒業後に一流企業に就職が決まり皆に羨ましがられたが、1年ほどでクビになったとか。
そしてその後も職を転々としているらしいと人づてに聞いた。
まあ俺は霊感もまったくないし、霊なんて一度も見たことも感じたこともないやん。わからんやん。
992 [age]09/03/19(木) 23:52 ID:YU/2RxZ40
>>991
「病院のボロボロの入り口の奥にある多数の視線や手招きをする腕が嫌だったし、
なによりここにきて気になりだしたYの足元をうろつく色とりどりのモヤ?が良いのもではない気がしたからだ。」
 ↑
見えたり感じたりしてるじゃんw
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