ベランダの女


177 名前:169 ◆0wxc14yTT2[] 投稿日:2017/08/28(月) 13:51:40.06 ID:IcpD9UjZs
「今日は違う場所で遊ぼう」
と言われ、自称カミサマなお兄さんに着いていきました。お兄さんの腰元に付けた沢山の鈴が、気になりましたが気にせず歩き近所の広場のような道についた。そこは、他の児童が遊び場にしている所だったのですが、何故かその日は居ません。
そこに着くと、お兄さんは肩車をしてくれました。ずっと肩車がしたかったそうな。
「このままどこか行こうか?」
と冗談を言われたのですが、断ると残念とだけ言われました。暫く、走ってくれたり歩いてくれたりしていたのですが、段々空が真っ赤に染まりました。
綺麗だねーなんて言い合っていると、上の方から女の人の声がしました。
「あらぁ、仲が良いのねぇ」
見ると近くのアパートのベランダの内側にニヤニヤ顔の女の人が。ベランダの手すりにもたれ掛かるようにして、こちらを見ている。女の人の話し方がなんか嫌で、返事を迷うとお兄さんが反応するな話すなと私に聞こえるぐらいの声で言いました。
「沢山あるんだから一本ぐらい頂戴よぉ。小さな所で我慢するからぁ」
構わず女の人は言います。何の話やら。
「これならあげるよ」
とお兄さんは言うなり、腰に付けていた鈴の一つを女の人に向かって片手で投げた。女の人は、短い悲鳴を上げて、ベランダの内側に倒れて此方からは見えなくなりました。
そのままお兄さんは、近くの道路に出る道に向かって肩車で走りました。
夢中になってしまった。早く帰らないと!とお兄さん。お兄さんが私を肩から下ろして、今日は一人で帰るように。自分の家が見えるまで振り返ってはいけないと言われました。
帰り道を教えて貰い、ふとお兄さんを見ると逆光でお兄さんの顔が真っ黒で見えなかった。
この人は本当にお兄さんなのだろうかと、ふと思ったがこの場から出るようにと物凄く急かされ振り替えることなく走って帰った。
 
178 名前:169 ◆0wxc14yTT2[] 投稿日:2017/08/28(月) 14:01:02.87 ID:YMfcis1zs
走って帰っていると、真っ暗だったのが段々明るくなり青空になっていった。本当に意味が分からなかったが、言われた通り名前を呼ばれたけれど家に入るまで振り返らなかった。
あの逆光で顔が見えない状態が、物凄く怖かった。
後日、女の人に声をかけられたアパートが、まだ入居者募集中の段階で入居者0だと知ってビビったし、数年後小学生達の間でお化けアパートになっていた。
今は、更地になっている。
以上、特に何もオチがなくてごめん。
 

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