口寄せ


179 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/08/11(火) 04:53:48 ID:OoPeUzn+0
自分がまだよちよち歩きだった頃のこと。
曽祖父の法事で、母方の親戚一同と母と自分とで本家に行った。
その家は山の中の大きな木造建築で、今時珍しいくらい古臭い作り。
親戚一同は温厚な人ばかりで、法事は和やかに進んでいたらしい。
しかし、まだ小さい自分は昼寝が必要で、眠くてぐずりだしたのだそうだ。
仕方ないので、母が自分をつれて母屋から曾祖父が使っていた離れに移動。
持ってきていた昼寝布団を敷き、自分をあやしながら寝かせようとしたらしい。
と、みしっ、みしっ、と廊下が軋むような音が。
自分達の部屋の前まで来て、しばらくするとまた遠くから音がしてくる、というループ。
そのうち箪笥やら額やらまで鳴り出し、母は物凄く恐い思いをしたらしい。
法事のため持って来ていた数珠を握り締め、自分を抱いて母屋に戻ろう、とした
その時、眠っていた自分がかっ、と目を開き

「じゃかぁしぃ、今寝たんじゃ起こすなたわけ」

と怒鳴ったそうだ。
幼稚園にも通わない子どもの暴言に、思わず硬直する母。
自分は何事もなかったようにまた眠り、音はぴたっと止んだという。

ちなみにそれを聞いた親戚一同、「じいさん(曽祖父)の言い方そっくり」と言ったそうだ。
皆は「じいさんが守ってくれた」と言うが、自分が全く覚えてないので真偽の程は定かではない。
  

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