怪談:妖しい物の話と研究


トップ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50
【仲良き事は】幽霊と暮らしてる【美しき哉】別館
1 :小林 ◆GHnVMpjfQA :2011/01/22(土) 00:19:54
★このスレは幽霊さんと仲良く暮らしている人や、なにごともなく一緒に生活している人のためのスレです。
 いきさつや日々の出来事を綴ったり、同じ境遇の人どうしの情報交換などを趣旨とします。
 霊能力者の方や理解ある方などのアドバイスも大歓迎!
 実況スレではありませんが、たまには実況もいいかも。

★お願い
・とりあえず、確実に一緒にいるのであれば、見える見えないは問いません。
・老若男女、守護霊さん浮遊霊さんの別も不問です。
・単独スレをたてられるようなエピソードがたくさんある方はそうしてください。
・当事者の方は、毎日ではなくとも、できるだけ幽霊さんのことを書き込んでいただくと、読む人間は喜びます。
・男女間の仲に嫉妬したり幽霊さんに萌えたりするものけっこうですが行き過ぎないように。
・基本的に、当事者以外の方は、どんな形でも支援をしましょう。
・当事者の方は、原則、コテハン付けやトリップ付けを推奨します。

★ 厳 重 注 意
・幽霊と暮らしているのはデリケートな状態です。思いやりの無いレスは遠慮して下さい。
・幽霊がいるいないの真贋論争はご法度です。ほかでどぞー。
・呪ったり祟ったり襲ったりする怖い幽霊の場合は、ほかにスレッドを立ててやって下さい。
・煽りレスや荒らしは管理人が削除するので無視すべし。
・ただし、明らかな釣りにはツッコミが入ることを覚悟してください。

339 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/06(水) 11:23:44.92 ID:87adgNnq0
福徳神、しだら神、稲荷神、あれ即ち『流行神』
ニンゲンという種に恋したばかりに“かみさま”という生き方を選んで「しまった」あわれなイキモノ

340 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/29(金) 21:47:17.17 ID:EFwtQlfu0

しだらの基本ライフスタイルは『流行神』である。

ライフスタイル:流行神を乱雑に説明するならば、
「各々の目的(だいたい暇潰し)のために時代時代や地域地域のトレンド信仰に乗っかって、ソレに思い描かれた神を『実演』というカタチで持ち得る験力を振り撒いていく」存在。真面目な方々からすれば相当にはた迷惑な存在である。勿論真面目な流行神もいらっしゃるとは思うが、真面目なら一箇所に留まっているんじゃねーかとニンゲン所感。
なお『流行神』そのもののきちんとした仔細は、ネットでなく民俗学書籍を読んで頂きたい。信仰というなの各どんちゃん騒ぎ()に「結局、神も信仰も宗教も、ニンゲンが勝手に作ったもの(に連中が自らの目的のために乗っかっているだけ)なんだよなぁ」と虚無れるので。
そして、トレンド信仰の最たるものは現世利益最優先の江戸時代に大流行した『稲荷信仰』で、全国のあちらこちらに大小不問で社が乱立しているのはその名残だったり。

ヤツは、ニンゲン側に『神』という概念が生まれる前より陰からアッチコッチ渡り歩いて助けたりし続けた。時代や地域で求められる働きをし、思い描く姿を取ったり、時には他の神と争って(理由はヤツ曰く『俺のほうがあいつらをもっと救えるから』と)勝ってエリア権を手に入れたり、負けて手放して去ったりと。
そんななので、田の神、歳神、荒神(竈の神)、道祖神、賽の神、身近な信仰神はわりと履修済みかと思われる。

341 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/29(金) 21:51:34.42 ID:EFwtQlfu0

そんな感じで、叩き上げで『神様』業を大昔から今日まで続けてきたためか、相当に器用。
身体の不調肩代わり(自分でカバーし切れず走る四肢の麻痺を徐々に持って行ったり)や治療(たとえば気圧乱調で動悸が治らないと心室内を舌で舐めて落ち着かせたり)、弱っている期間の天候対処(台風逸らしから暖冬冷夏まで)、“たぶん脳梗塞”の後遺症(脳神経の修復もしてたんじゃないか?)完治ヘルプや、生身の人間の背に開いた霊道を月日をかけて綴じたり(しだらがクる前は風宮さんが札越しでなんとかしようとしてくれたのだが)、アナーキーな引き寄せ(只より安いものはないからこそ日常生活の各管理能力が崩壊していく)の権限変更、と。いっそ甲斐甲斐しい庇護欲お化け。ウザ。
痛覚ならぬ畏怖覚崩壊が代償ながらも、ヒトひとりのQOLを確実に改善させたのは事実。また、ヤツがキてから、ポテンシャルが多少はあるのにその気も後ろ盾もなく弱っている心身に制御できてない引き寄せ()に、好意というなの付け狙いアタックしてくる神連中を殺すことも激減した。ただ、キてから暫くは殺消の心身疲弊に代わるかのように、ツキノワグマを相手にするかのような、懐かれ癇癪やKV(神バイオレンス)から発展して殺し合いレベルの喧嘩をする別種の疲弊感を得るようになってしまったのだが、が、が、
やはりQOL改善の代償は大き過ぎた。

342 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/29(金) 21:52:48.44 ID:EFwtQlfu0

性格は大分アレで相当に終わってはいるが、それでも永くニンゲンに寄り添って人間の望む『神』を(試行錯誤を繰り返しながら)実演し続けてきたため、ニンゲン事情にイロイロと理解を示すので話が通じてくれる。というか、連中が長い年月の中で「思考発想に柔軟性を持ち合わせなかったものは須らく時代時代で淘汰されていった」印象。頭が固く融通が利かなかったり、恩恵より癇癪被害が大きかった存在は、消えていったか、世に残っても人間が付いていけず周囲が寂れ切って忘れさられたか。強い弱いは二の次三の次。もちろん、それを是としている神も少なからずはいるだろう。ニンゲンが彼らを『神』と祀ろうが祀るまいが、彼らは遥か昔から『彼ら』のままなのだから。寂れようが忘れ去られようが、当事者には瑣末過ぎること。
なので、ヤツに限らず、存在が旧く且つニンゲン付き合い自体も永い『神(を演ってくれる方々)』はイロイロとコチラに理解を示し、場合によっては便宜を図ってくれたりする。多少の価値観や程度の齟齬は仕方ない。結局は互いに『異種族』でしかないのだ。向こうが歩み寄ってくれているのならば、こちらは具体的な内容説明で返すのが礼儀。わかり合えないからこそ、わかり合えるまでのところを、わかるまで。
この辺りは、ジブンの生前時代の価値観に固執しているモラハラ老害ク祖霊よりは遥かにマシだ。墓守不足解消のためにPMS対策のピル処方に婦人科定期通院している子孫をレイプに遭わせることも視野に入れていた、怒りより呆れが先行するような、元同族な血族という立場に甘んじて墓というベースキャンプに胡坐をかいているあたおかどもよりわ。

343 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/29(金) 21:53:38.52 ID:EFwtQlfu0

“しだら”という便宜上呼称は遣使さんが『あれを使うときはそう呼べ』と云ってきたのでそう呼んでいる。この呼称の元ネタは大昔に各地で流行った民間信仰神の一つである『志多羅神(のうちの一柱が某八幡にのぼったのかと)』から来ていると思われるし、恐らくヤツの渡り歩いてきた経歴の一つでもあるのだろう。
もっとも、今のこの“しだら”の意は、しだら曰く『はぐれもの』の意であり、連中からは蔑称的な位置付けらしい。
ので、きちんと『――明神』呼びも考えた、ら、ヤツ本柱から嫌がられる始末。なお、キてから数ヶ月後ほどに、存在ウザさの意趣返しに嫌みで「(しーちゃんv)」と呼んだらすんごいデレデレした。キメェ。
しだらに限らず、向こうは『名前』をファッションアクセサリーにしか思っていない節があり、名前や名付けの重みなんちゃらとはファンタジー路線であることを思い知らされる。『名前(もといラベリング)』もニンゲンの『発明品』だもんな。なんだったら向こうから「こう呼ばれたい」リクするもんな。だから、大神明神ソレはコッチでは魚の名前です、語感でチョイスはどうかと思いますよ。

――――

344 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/30(土) 23:20:19.16 ID:1v1Wrhub0

昼飯に柿を丸々齧って食べていたら会社のヒトが、

「柿って、生ハムメロンみたいに、生ハム乗せて白ワインで食べると美味しいよ!!」

という素晴らしいアドバイスを頂いたので、帰宅して今晩早速実行。


店でスライス済み生ハムのパックと白の辛口スパークリングワインを購入。
家にあった完熟超過手前種無し柿を薄めにスライスして、生ハムを乗せる。

軽く冷やしたスパークリングワインをフルートグラスに注いで、いただきます。

「う、うまい!!!」

熟れてやわくあまくなった果肉に適度な弾力と塩気のある生ハムのコラボレーション。
そして、柿で掻き消しきれなかった生ハムの臭みは、辛口スパークリングワインのアテとなって最高の口内調理に。

最初の一つにふぉぉおぉお……!!となっていたら、怪訝そうにしだらがこっちを見ていた。
どうやら、ナマの果肉に(実質)生肉という組み合わせが異様に映り、そしてその『異様な組み合わせ』で瞳孔開かせているおれに一層訝しんで。
とはいえ愉しんでいることに虚偽はないようなので、手で写し取って、スライス一つ分をぱくり。

『!!!』
ぱぁああぁあああ……!!
と、ヤツのカオが輝き、そしてテーブルに置かれていていたワインを手で写し取って飲んで、
ぱぁああぁあああ……!!
と、一層に輝かせる。

「(おぅ、美味いか?)」
と、おれが更にスライス一つ分を食べながら追い生ハムを口の中に入れてスパークリングワインを煽ると、
遠巻きに見ていた他の連中が集まって、軽い酒盛りタイム。

いやぁ、いい時間だわ。
柿とワインは終わったけど、まだ生ハム残っているから、ウーガダールでも飲むか。


――――

345 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/31(日) 17:33:59.84 ID:4YatGoV60

しだらの大元は、樹林霊とか山林霊とか、そのような“もの(物の怪)”である、一部であった。

そのためか、特に鹿が、だいきらいである。
ヒトが十年使用していい加減に寿命を迎えたナイロン製マジックテープ二つ折り財布からシンプル長財布を探していた時に、しきりに鹿革製を勧めてきたり、名古屋友人夫婦宅で出されたローストベニソンにわかり易くテンションを上げたり、つぶやいたーで回ってきた「大雨後の雲さえ映り込む澄み切った水面に浮かぶ蛆のたかりまくった鹿の死体」の画像に手を叩いて喜んだりと、まぁわかり易い。

鹿は、神の使いだとか神そのものだとか何かと神聖視されてはいる存在で、実際にそんな存在がいなくはないのだろうが、世の中に存在している鹿の9割9分9厘以上は、フツーの、草食動物たる、鹿、である。角の代わりに二丁拳銃を装備して人々を虐殺したり、その人々を洗脳して破壊行為に及ばせることもない。
一般草食獣たる鹿は、兎に角、わかり易く毒性のあるもの以外の草木種子樹皮新芽は何でも貪り食う。そして角を樹木に擦り付ける。樹木側にしてみれば、たまったものではないよう。鹿を害獣認定しているのは人間の農家やその関係者たちだけではないようだ。ユーカリも樹林霊化して“ああ”なったら、同じようにコアラの死にテンションを上げるのだろうか。いや、ユーカリは山火事を起こし易くすることで不定期で遠回しながらも自らの手で憂さを晴らしているのだろうから、そこまではならないか。
ではなく。

何はともあれ、この元・樹林霊は、鳥獣草木その他の所謂『自然』よりも、ニンゲンに肩入れすることを選んだ。

346 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/31(日) 17:58:38.04 ID:4YatGoV60

基本的に虫や鳥獣が樹木や草本に“感動”や“感謝”を覚えることはなく、ただ淡々と食し、使い、消耗していくだけである。そもそも『恵み』という発想自体がないのだから、覚えようも無いのだ。全てはあるがままのソレで終わる。豊作も凶作も関係なく、ただ移ろう環境に淘汰されながら適応できた形質が生きていくだけ。それ以上もそれ以下もない。樹木や草本も、同じように環境変化の洗礼を受けては、たまたま対抗できた種が残って殖えて一部が突然変異を起こしては種の全滅を防いで、の、繰り返し。
が、そこに、ある種のイキモノが『恵み』という発想を見出し、“感動”や“感謝”を覚え、畏敬や親愛といった情を注ぎ、いつしか音や動きを捧げ、生活活動品の一部を分けてきた。

これを結構な衝撃を受け、それまで“アタリマエ”だったものがガラリと一変。
謝意を覚えて捧げるイキモノ、ニンゲンを好むようになり、一方で無心に貪り食う獣を厭うようになった。
同じ「使われる」だけならば、鳥獣や同族よりもニンゲンのほうが余程いい。謝意や種々の情を捧げてくれるし、捧げなくとも勝手にいろいろ「面白い」ことをしてくれるのだから。

こうして樹林霊は――より正確には募った想いゆえに広大な存在の一部が『異質化』を起こしたソレは、自己防衛の働いた母体から自然と――或いは自らで脱そうとしたのか――切り離され、存在を独立させ、己だけの自我を得た。
そして、己の思いがまま思うがまま、人々から望まれた名前で望まれた験力を振るい、時代や地域を渡り歩いていった。

そして、恐らく、ソレが生まれた樹林は、もう残ってはいない。

つまり、コイツは、変異を起こしたがゆえに全滅を免れた、
大昔に「確かに在った」大自然の忘れ形見でもあるのだ。


――――

347 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/31(日) 18:03:47.67 ID:4YatGoV60

興味の無い相手に細かい分類までを問うのは野暮い話


それは今年初めで、まだデルタ株が猛威を奮う前のこと。

2月は年間休日数の兼ね合いのためか休日絡んだ二連休が発生するのだが、今年は二回もあった。更に二月はシーズン的にも基本的に「何もない」ため、旅行するにはうってつけのタイミングなんだ。
更に、ここをのがせば、最低でも半年、ひょっとしたら一年は旅行ができないだろうと、躍起になった。もちろん、感染対策をきちんと準備した上で、だ。

そして、候補をどこにするかで悩んだ。
「(今回二回もあるんだよなぁ・・・ハズレがないのは京都だけど、去年も京都行ったしなぁ・・・金閣寺で榊雲さんとまたウェイウェイするのも楽しそうだけど、どんだけヒマなヤツなんだって思われるのも癪だよなぁ・・・)」
と、取り留めなく考えながら、
「(言やぁ、笠間稲荷最近行ってないんだよなあ・・・でもなぁ・・・笠間この時期クッソ寒いんだよなぁ、福島の山中よりはマシな程度で。でも、笠間さま、ザ・山神って感じでめっちゃ好きなんだよなぁ・・・どっかの元・木のオバケと違って。たぶん神使さんの件もあるから行った方がいいんだろうし、假屋崎省吾の作品が展示してあることもある自然食レストランもあるし日動美術館も展示物のレベルがカンスト狂いしているしているから何度行ってもいいんだけど・・・でもなぁ・・・寒いしなぁ・・・変に遠いしなぁ・・・泊まりレベルでも無いしなぁ・・・)」
と、更に取り留めなく考えていたら、

不意に、大神明神の気配が強くなって、
『主(ぬし)、稲荷に行くのか? ならば、我を連れて行け』
と、云ってきたんだ。

348 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/31(日) 18:05:54.76 ID:4YatGoV60

そして、この時おれのアタマの中で、

稲荷→候補
1.伏見稲荷系(渡来人秦氏の祖霊神メーン)
2.豊川稲荷系(インド生まれの神荼枳尼天メーン)
3.後付け系(諸処の理由や思惑で〇〇稲荷とくっつかっているだけでそもそもは〇〇権現なり明神なり)
4.トレンド時代生まれ系(江戸に大流行した新規勢)


どれ!!!?


と、訊いたとこで云ってきた本柱もそこまで深く考えていない可能性しかないため、
追求は、流石に、しなかった。


そして二月の2回目の旅行で伊勢に行った時、伊勢市駅で下車して駅付近の神社に参拝したのだが、気付けば大神明神も隣で手を合わせて参拝していて。
その神社こそ、稲荷だった。
(なお私は寺社の名前を見ないで入ることが多いため、気付くのがだいたい遅い)

「(ほんとに『稲荷』ならなんでも良かったのかよ)」

と、満足気な様相の大神明神を目の端で捉えつつも、
軽く、肩透かしを食らった気分になったんだ。


――――

349 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/31(日) 19:31:42.01 ID:4YatGoV60

それは今から数年前の、求職者支援訓練時代で、しだらがキてから月日がそこそこ経過した頃のこと。

ある日、いつものように支援施設へ向かっていると、不意にしだらが自販機に興味を示した。
「(なんなん?)」訊いてみると、
『俺、これ欲しい』と、指した先にはブラックコーヒー缶(の見本)が。

缶コーヒー自販機価格1本120円。
当時実質無職の私には、結構な贅沢品だったんだ。況して当時ブラックは飲めなかったから尚更に。
しかし、勝手に押しかけておきながらビビられ続けたことに腹が立ってKVを繰り返しては遣使さんに何度も襟首捕まれたり太刀で斬られたり矢を何本も射られたりと連れ返されては戻ってきては節介を焼いて気に食わないとKVを繰り出してはおれに殴り返されてそのまま殺し合いレベルの喧嘩に発展しているとはいえ、持て余していた体質を「なんとか」してくれているのは癪だが事実に相違ない。

なので、適度な見返りは、礼儀の範疇。
「(わかった。終わった帰りに買ってあげるから)」
と、約束して、そのまま施設へと向かった。

そして、終わった帰りに、家の駅のスーパーに寄ったんだ。
向かったのは、缶飲料コーナー。ここなら、種類も豊富で、何より安い。
選んだのは、無香料と謳われたブラックコーヒーを一本。
これなら満足してくれるだろうと、買い物カゴに入れてレジに向かおうとした、ら、

『なんだよ、自販機で買ったやつじゃないのか』

と、嘆息まで聞こえたので、

反射的にカゴに入れた缶コーヒーを左手で鷲掴んでその横ッ面にフックを入れてしまったのは、仕方の無いことなんだ。

そして、殴ったあとで気付いたのは、
「(コイツ、単に自販機の絡繰仕掛けを愉しみたかっただけか)」ということ。

ならこの缶コーヒーは無為だなと思いつつも、外観も中身も変わってないとはいえ曲がりなりにも凶器として使ってしまったため、きちんと購入したんだ。

この翌日、
改めて行き掛けの自販機でブラック缶コーヒーを買ってやった。

ガコンと落ちたソレを手にとってプルトップを開けてヤツに渡すと、ヤツはそれを写し受け取ってぐぃっと一口。
『やっぱ、男はブラックだよな』

言ってろ。

――――

350 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:24:21.46 ID:DO+spdJJ0

しだらの誓い


それはしだらがキてから二ヶ月とかその辺りだと思う。

当時の私は、有り体に言って、酷かった。
“たぶん脳梗塞”の後遺症、それによる体質の変化による各種霊障、しだらがキてからマシになったとはいえ神どもの付け狙いとそれら殺消のストレス、後遺症と他神からの何ちゃらをマシにはしてくれているとはいえ、何よりしだらの存在そのものがそもそも神障だ。旧い時代からの土着神の神気にあてられ崩壊し、同時に吸収させられて引き起こる強制再生の苦悶は、福島にいたときの原発事故の放射能被害に酷似している。程度はしだらのほうが圧倒的に上だが、目に見えない無数のガラス片が体内に入り込んで染色体を切り刻んでいく不可視のダメージとそれを負い続ける恐怖と、自己修復機能によって再生した先から更にダメージを負い続けていく終わりの見えない絶望。いっそラクになることも幾度と無く考えたが、そうしたら当時の精神状況では無念・未練の自我が渦巻く下層、地獄の一種とも呼べるような場所に引き込まれ、半永久的に囚われ続けることが直観でわかっていたため、その選択もできなかった。ソコを脱するには、他の自我に喰われるか、ソトのダレかからヨばれるしか、方法はない。
心身だけならいざ知らず、当時は実質無職で私自身に先立つものがない。更に、父は人工透析の兼ね合いで度々入院することがあったが、今回の入院は長い期間(この時点で既に手遅れだったのを知ったのはここから更に三ヵ月後)しており仕事の復帰も不明状態。自分は支援センター通いの日々で、職にありつけるのはいつのこともわからない。

351 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:25:29.31 ID:DO+spdJJ0

そんな精神状態最悪な中で、ちゃんと理由があるとはいえコッチの負担をわかった上でヒトに強い神気を浴びせ続けておながら、いつでもハツラツ活き活きとしているしだらの存在は、神気による崩壊再生のストレスとは別に、私に強い陰を落としていた。
「(なんで非人のコイツがこうも情緒豊かで、生身の人間であるはずのアタシがこんな無感動なんだか)」
そもそもこの頃、本当に『恐怖』という感情を持っていたのか怪しかった。
非は向こうにあり法に問われないとしても、自我のある相手を際限なく殺し続けていくことに辟易していた。核の場所を知るために対象とシンクロしたあとで核を壊す手法のため、実質ジブンを殺すようなもの。疲弊しかない。シンクロしなくとも、経験直観で核の場所がわかるヤツはわかるが、ソレをシたら私は真に修羅に堕ちそうで、したくなかった。
いつぞやの夏で雷神が来てしまってから「(助けを求めてしまうとダレかしらがキて周囲に甚大な被害を与える可能性があるから、そもそも助けを求めないように、カルラの力も借りず)ジブンのことはジブンできちんと手を下すべき」と、怯えるだけでなく、自身の力で反撃に転じることを考え、成功した。ただ、状況が予想外の方向へ行ってしまった。後を絶たないのだ。こちらがどんなに辟易しても、消される恐怖よりも好意が勝って嬉々として突撃してくるのだ。恐怖無く向かってくる相手を殺していくと、こちらの恐怖も失せていき、いつしかそれはただの『作業』と化していく。
相手の自我を、好意を、存在を消していくだけの簡単で単純な作業。シンクロすらも、ルーティンの一環に堕ちていく。感慨は失われていくのに、手応えの無さでストレスだけが降り積もっていく。周囲へのポーズで「使おう」と意識的にアタマに命令しなければ、私から感情が生まれることはなかった。
しだらのKVすら、実はどうでも良かった。どうせ現実肉体に反映されることはほぼないのだ。飽きるまで殴らせておけばいいことだった。ただ、余りに終わりがなく、飽きるまで待つのが億劫になって反撃した。それだけのこと。だからこそ、しだらは一層に激昂したのだろうが。悲しさで。ならば、そのまま捨て置けば良かったものを。

352 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:27:37.61 ID:DO+spdJJ0

辛うじて、神気だけは肉体の根源的な本能と実際の負担から『恐怖』を「きちんと」覚えられて、精神体の『逃避』が、自動選択された。しかし、逃げても逃げても追い掛けては追い付いて、肉体のある元の次元に引き戻して、浴びせ続ける。機嫌が良いときもKV時もそれは変わらない。いや、機嫌が良いときのほうが神気が純に強まって辛く、KV時のほうが濁ってマシだった。
その神気すらも、いつしか『慣れ』て、何も感じなくなる時が来ると思えば、どうでも良くなってきていた。
背に大きく開いた霊道も、しだらの神気と知らない領域で行なわれているのヤツのメンテナンスで綴じる気配こそ見えてはいるが、見えている程度のまま。相も変わらず油断すると勝手に出入りに使われ、往でも復でも、カラダを媒介にすり抜け出られるカンカクは生理的な気持ち悪さしかなく、何より体力をごっそり持っていかれる。向こうとしては、ただ「見つけた出入り口を通るだけ」の軽い感情なので、私には感知ができず殺すこともできないまま利用だけされて終わってしまう。
全てがどうでも良くなってキているのに、ストレスだけが降り積もって、知らない場所でダメージをもらい続ける。


つかれた。

353 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:29:14.59 ID:DO+spdJJ0
「(笑えないなぁ。生身人間より神のほうが、余程に『人間らしい』なんて。あいつのほうが、ヒトとして生きていくのに相応しいだろ。………………なんでアタシが人間しなきゃいけないんだろう)」
――アタシが人間なのは肉体だけだろ、日頃コッチに好意を向けるなんだかよくわからないものを殺し続けて
――そのうち、カラダが人間なまま、バケモノになったり神()になったりするのかなぁ……
――スピ堕ちだけはイタ過ぎて絶対に嫌なんだけどなぁ…………あれ?今も変わんない?
――そしたら何のためにアタシは『人間』でいることにしがみ付いているんだろう
――親への対応がめんどくさいから?あいつらの仲間入りになりたくないから?
――取り繕ったところで中身はとっくに死んでいるのに?
このときの私の目に光などなかっただろう。
「(ああ、でも、せめて、せめて、取り繕いだけは、悪足掻きでしたい)」
ただ、いつか読んだ『東京BABYLON』の、ダイヤルQ2回での桜塚星史郎の見開き1ページを使った長台詞が、辛うじて私と「正気」を繋いでいた。
特別な力、特別な使命。そんなものよりも、普通に生きることが偉いことなのだと。
それが今の私には、ただの「意地」でしかないとしても。

354 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:31:12.72 ID:DO+spdJJ0

意地だけで取り繕い生きているジブンにポーズとして形だけの嘲り笑いを浮かべてみせていたら、
不意に、肩を強く掴まれるカンカクがして、意識を向けてみたらそこにはしだらがいた。

ヒトの両肩を強く鷲掴みし、両の目尻からは細い水の線が頬を流れ伝わせ、何かを耐えるように歯を食いしばって、
私を、真っ直ぐに見ていた。

355 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:32:10.78 ID:DO+spdJJ0

いったい急になんなんだ?
と、ウザったらしく思っていたら、掴まれた両肩に更なる力が加わって少しだけ顔を顰めた。

しだらが、食いしばっていた歯を、開いた。

――俺がお前を立派な人間にしてやるから

そして、気配が消えた。

356 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:34:25.81 ID:DO+spdJJ0

一旦残された私は突然のことに脳内で疑問符を打ちながらも、先のしだらの言に、軽い失望を覚えた。
「(なんだよ『立派』って。結局、お前もあいつらと同じだったのかよ)」
しだらはどうしようもないヤツだが、あいつは、私のリアルでは無用な力を何一つ欲していなかった。引き寄せも、場の無化も、呼び寄せも。方法はわりとクソで力ずくで反動もデカいものばかりだが、それでも私を何とかして助けようとしていたのは、知っていたし、わかっていたし、現に改善も見え始めていた。だから、少しだけ、僅かながらも信を置いていた。
だのに。
「(『立派』にするって、そういうことなんだろ?利用して、知名度をコッチかソッチかで上げて、ジブンの名も、ってやる気なんだろ?)」
しだらも、それらと変わらない存在だった。しかし、私の眼の光は消え切っていたから、それ以上に暗くなりようもなかった。
「(いいさ、お前がそのつもりなら。カラダをどうこうしてくれている手間賃代わりにやってやっても。でもな、変なこと下手なことは絶対にしてやらねえからな)」
と、無い気配に対して釘だけは確りと刺した。

357 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:36:21.01 ID:DO+spdJJ0

しかし、一ヶ月経っても二ヶ月経っても「そういうこと」の案件が出てくることはなく、
父の死やその後の処理、母と妹の改めての三人暮らし、就職、愛想尽かしから一人暮らしの準備と引越し、
と、目まぐるしい日々に追われてすっかり忘れ、そして忙しさから抜け出すと気も抜けてしまい、少々のことはあれども「そういうこと」ではやっぱり全くなく。気付けば、忘れたままに、日々をヤツやヤツ達、会社や友人たちとでそこそこ愉快に毎日生きていた。


そもそも、このことを思い出したのも、会社の昼休憩中である。

358 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:39:29.93 ID:DO+spdJJ0

先週の昼に、千切りキャベツを袋のまま食べながらつぶやいたーを眺めていたら、知己の一人が、
『最近無敵の人や刹那的衝動がわかるようになってきた』
『やったら犯罪で刑務所で人生詰むとわかっているけど、そこまでに考える時間を要して危険』
みたいなことを吐露しているのを見て、
「(なんかわかる気がするけど、私がソレわかったのは結構昔な気ガス。いつぐらいだったっけ。まぁ、いいか)」
と、そこで思考を終了させようとしたが、更に思い出したのは、その昨晩にRTしたニーチェ論の引用画像(著:永井均『これがニーチェだ』p23)の、内容だった。

生を肯定できない者にとっては、あらゆる倫理は虚しい。この優先順位を逆転させることはできない。

知己の呟きと昨晩のRT内容が合わさって、やっと数年前のあのことを思い出し、
そして、数年前のあの時にしだらが云っていた、『立派な人間』の本当の意味を唐突に理解してしまい、
心の底からの、絶対的な敗北感を、思い知った。

「(嗚呼、なんだ)」

あいつの意味する『立派な人間』とは、なんてことなかった。
「己の生を愉しんで生きられる」こと、だった。

359 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/10(水) 20:40:53.20 ID:DO+spdJJ0

ニンゲン側でよくイメージされるような、歴史に名を残すことでもなく、世に貢献することでもなく、他者に求められることでも愛し愛されることでもなく、
それ以前の、基本的なこと、だった。
だからこそ、最低限の自己防衛以外で、ヤツが私にナニをさせるわけが無かったのだ。

そして、また、
ヤツは感情や情緒の死に掛けていたニンゲンの傍で、瑣末なことで一喜一憂一怒を芯からしてみせることで、
上辺やポーズとは違った「心からの」感情表出方法を、倣わせ、覚えさせようとしていたのだ。
(まぁ意図的な部分はあれども、ヤツの無駄に豊か過ぎる感情はまんま素なのだろうか)

思わず、盛大なため息を漏らした。
「(ぁあーー……、悔しいよなぁ……こういうとこ、ホント敵わないよなあ…………ヒトの禍福を見てきた歳月の長さだけは、どうしても勝てないよなぁ…………流石は過去の流行名が一つ『福徳神』は伊達じゃないってか…………あぁ悔しい)」


そして、ヤツの目論見はまんまと成功した。
ヤツの望む通りに、思惑通りに、私は『立派な人間』へとなってしまっていたのだから。
これを悔しがらずになんとしようか。

「(ああ、悔しい、悔しい、敵わない。せめての腹癒せで書いちゃる)」

この悔しさの衝動をさっさと発散させて、すっきり寝たいわ。


――――

360 :739 ◆Al9ki804zA:2021/11/16(火) 22:36:37.43 ID:DpAUAMfW0

つまり「めんどくさいヤツに好かれるのは疲れる」というダケな話


数年前に笠間稲荷を参拝したときに買った八方避けを職場のロッカー内に吊るしていたらそれを介して白い子狐だか子犬がキてそのまま会社の女子更衣室に棲み付いて時折小腹用の菓子を強請る程度の取るに足らない存在だったのだが少し前に小さな困りごとを愚痴として吐いて少しして解決したら更衣室内でアローラキュウコンのような姿になってて時折前脚を頭頂に乗せたり頭を甘噛みしたりとじゃれついてきて少々ウザいなと思い始めた矢先に更衣室外でも出てくるようになって職場のばっちさに苦言ならぬ苦念を呈されたので「(おれにそんな権限ないんだけど???)」と返して業務を再開しようとしたら急に何とも思っていなかった床の汚さが目に付いて嫌悪を覚えた瞬間にナニかが噛み合うカンカクがして、

「(あ、引き寄せ確定発動したわ)」

と直観したものの、どんなカタチで具現化するのか考えても栓がないし具現化できないまま終わることもあるので仕事を続けて放っておいたら翌日の今日の昼に見知らぬ平服女性が総務部長に案内されていてナンだと思ったら清掃業務専門で雇い入れを考えているヒトとのこと。
この先、場合によってはこの見てくれアローラキュウコンを殺処分することを視野に入れようと思った。

にしても、しだらの気配が多少なりともあったらこんなことは起こらないのだが、
皆無すぎてなんなんだと思ったら、ついでに大神明神の気配も無くて、「あー」と、思い当たった。

「今、ひょっとして神在祭?」
調べてみたら、今、ちょうど期間中。そして、私の旅行予定日初日まで続く、らしい。

今月、上手い具合に連休になってくれてるので旅行先を考えていたら、しだらにやたら多賀大社を勧められたのだが、
その理由が「多賀大社の祭神が神在祭に参加しない天津神で、私の身の安全の確保(行くと決めて動くだけでも加護を受けられる)」だったら、わたしはわらう。というか、あいつ、『しだら(はぐれ者)』のクセに、神在祭にガッツリ参加している、という今の時点で結構草を生やしている。

結局多賀大社ではなく北海道旅行なのだが、いずれにしても神在祭終わったあとでベタベタ甘えじゃれつかれる未来を思うと今から嘆息ものだし、のクセにヤツは動物園でフィーバーするだろうと思うと、更に嘆息。

っていうか、あいつ、海越えられるの?
木のオバケがどうやって???


――――

361 :739 ◆Al9ki804zA:2022/01/26(水) 09:49:05.74 ID:Bu0Z97KGs

風宮さん(見てくれ:唐装韓服の溌剌可愛い系美女)が、どう足掻いても私のことを『おチビちゃん』と呼ぶ。
わたし!!ことし!!としおんな!!!

36に『おチビちゃん』呼びは、厳しいわ!!!!

362 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/02(水) 22:47:39.64 ID:WoeBHfCCs

次に行くチョコメイン催事の情報を眺めてて。
チョコもさることながら、栗スイーツや豆スイーツにもテンション上げるしだらをミて「(なるほど、言うなればチョコも種子スイーツだわな)」とか思ったんだが、

『あ? 種子を用いないスイーツって逆になくね?』
と、ツッコミをもらう羽目になった。


葛切り!!金平糖!!蘇!!!
これは使ってないもん!!!
(なおこれらが一般的に『スイーツ』呼びできるか以前に最初の使用澱粉が根以外の可能性を考えてはいけないしアイスやゼリー・プリンの類いは打っている今気付いた)

363 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/05(土) 00:14:03.43 ID:oQp8hnM30

就業中に会社経費の紅茶を紙コップに淹れて、
どうせだから何かいい肴はないかと少し前に姉から配給された町菓子屋のフロランタンを思い出したんだが、ソレはコクが強過ぎるのでブラックコーヒーがいいと思い直し、何か無いかと更衣室で自ロッカーを漁っていたら年賀で頂いたフーシェのミルフィーユが出てきたのでコレに決定。砕いたフリーズドライ苺の練り込んだホワイトチョコを挟みこんだパイ生地層にホワイトチョココーティングなら紅茶に合うだろうと。

そして束の間のティータイムを満喫し、仕事を再開しようとしたら、
『ホワイトチョコレートにイチゴは紅茶に最高だな』と、シャレオツなティーカップを持って紅茶をすするしだらが。

おまえ、なにヒトのティータイムに便乗してやがるんだのヒトコトでも飛ばしてやろうかと思ったが、
ふと思い出したのは、バレンタイン催事の品。フリーズドライ苺にホワイトチョコレートをコーティング、ではなく直接染み込ませたという、変わり種。
前に行った催事でも見掛けたが、どうやって楽しもうか思い付かなかったため(予定に無かったカナダ産アイスワインを赤白計二本にバーンウルフのミニボトル四種買ってしまったために)心許ない手持ちを犠牲に出来ず見送ったもの。
「(アレこそ紅茶に合うじゃまいか!! 飲み屋に持って行って紅茶割り(念のため言っておくが紅茶は出来合いではなくリーフから淹れてもらってスピリッツは一回火を付けて軽いアルコール飛ばし&香り立たせ)やってもらってソレでアテにして酒はポートシャーロットで・・・いや、ポートシャーロットだとホワイトチョコが負けそうだからアンノックか・・・ダブルウッドも良いけどなんか違・・・ロッホローモンド!! アレなら単品でもホワイトチョコが美味かったからソレにしよう!! ああ、でも、ぜったいジンストレートも合う!!ハーフなら他も更に飲めて楽しめるし!!)」

楽しみ方が決まったため、次々回の催事にて購入決定。

しだらに向かって、サムズアップ。
そしてしだらもおれにサムズアップ返し。

そんな今日の午前のこと。


――――

364 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/18(金) 20:03:58.30 ID:rT7zGs9as

バレンタイン催事でチョコを爆買いしたはいいものの、よくよく賞味期限を見てみればボンボンショコラのアシが早いことに気が付いて(ロイズの生チョコ以外はそれまでバーやタブレットばっか買っていたため)、
とりあえず比較的一番アシが早いバーマンの生チョコを会社で9粒入り一箱をもちゃもちゃ一気食いしながら同梱されていたショップカードを見れば、実店舗兼カフェが奈良駅。

「(これ大神神社のついで奈良駅観光メーン途中下車にいいんじゃね???他には大してないし)」

とか思っていたら、床から生えてきた大神明神(形態スキンが第五人格のハスターゆえ)の足にバシンと横っ面をはたかれた私は今も元気です。

だって、奈良線と桜井線の接続具合エグいし大神神社のためだけに奈良へ行くのも勿体ないんだもの _(:3」∠)_

――――

365 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/20(日) 00:45:03.92 ID:l2QdBkoHs

ゲーム実況動画に見入ってうっかり夜更かしなうで、
家鳴りがするだけでなく、紙が落ちる音がすると思ったら棚に挿してある札(銀閣寺拝観時に受付で頂くもの)が落ちていた。

家鳴りは自然現象の延長線だから起こりやすくはあるが、札は他のものに挟まっていたはずだのにどーやってすり抜け落下したかは謎が残るも風呂に入って早く寝たほうがいいのは確かだろう。

その前に第五のログボ回収せんとな。

366 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/20(日) 19:12:57.62 ID:Dmmy66sws

行ってる飲み屋にて。

常連客の一人が『おれホント自転車で事故が多くて』と結構ボヤいるのを、居合わせた状態でのまぁまぁの頻度で聞いていた。
そして、私はお守りを余らせており、ならばと余っているお守りをそのヒトにあげようと考え、とある日の来店時にバーテンに一旦預かってもらい、次にそのヒトが来店した時に私がいなくても大丈夫なように、渡すのを頼んだ。

が、程なくしてそのヒトが来店したので、私はバーテンにー預けた先程のお守りを、改めてそのヒトに渡した。

なお、その余っているお守りとは、ワクチン予約一回目の枠を取る際に、遣使さんとの取引というか約束の折(コレについてはいつか)に図らずも入手したものである。しだらは知らん。

なので、余らせて腐らせっ放しというのも申し訳が立たないので、活躍させたくて必要そうなヒトに渡したのだが、

お守りが、そのヒトの手に渡った瞬間、

――嫌だぁあぁアァああ!!!

白目剥きで血の涙を流しながら地の底から沸き上がるような慟哭を上げる遣使さん。

そこまで嫌な相手っているんだと謎関心しながら、だったら持たれているだけで関わらなきゃいーじゃんと思いつつ、

「(あなた、そんなカオできたんだ)」

と、澄まし冷徹フェイスしか知らなかった身としては、新鮮さを覚えた。

――――

367 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/14(月) 21:05:24.02 ID:OGCUOC7bs

昨日、暇つぶしに買わないつもりでミネラル行ったら、とあるブースにて一巡目で見たパープルカラーのサファイアルースが忘れられず、買うつもりでラスト20分前ぐらいでその業者ブースで探していたら、

しだらに横っ面を殴り飛ばされた。

おまえ、ホントいいストッパー()だよな。

( なおしだらによる無駄遣い防止エピソードは他にもたくさんあるがソレらは追々 )

368 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/16(水) 23:12:24.64 ID:qi6sOBxg0

それは数年程前に祖母の確か葬儀関連で、遺体の関係上老人ホームから近い式場付近のかなり辺鄙なところを姉夫婦の自動車で走っていたところ、たまたま鳥居を見つけた。
姉夫婦に頼んでその神社に下ろして参拝しようと思ったが、時間の関係上で難しそうなので、その場は何も言わなかった。そして、後日またこの前を通ることはわかっていたので、その時でいいだろうとも。

当時は、かつての黒いイヌ科の件もあり、先んじて挨拶をすることでめんどくさい事態を回避するために、神社仏閣を見つけたらなるべく参拝するように心掛けていた。そしたら、別系統のめんどくさい事態にまま遭うよう(筆頭が外伝スレの『ゴングが鳴った話』で次点が『神を久々に殺した話』)になったので、ここ暫くは参拝することも相当に減った。

解散してとある日の買い物の時に、「折角だからお酒でもあげよう」と思い立ち、百均で小ぶりなぐい飲みを購入した。陶器製ならば、道中で壊れることはまずないだろうと、そう思って。
しかし、気になったのは、陶器製の器を選んだ時に強まった弁天様の気配。
何か用か、あるいは思うことがあったのだろうとは感じはしたが、それ以上の介入もして来なさそうなのでその場は放置した。
そして、寄ったスーパーのリカーコーナーでどの日本酒にしようか見ていると、再び弁天様が気配を強めて私の意識を日本酒から洋酒コーナーに持っていかせ、私が並んでいる製品を目で追っていくと、一つの商品に、強い気配を覚えた。それは、小瓶タイプのサングリア。

「(いやいやいや? これ欲しいのはあなたですよね???私は飽くまであそこの神社にお供えするんですけど??? )」
と、反論してみるも、気配は収まらないまま。
しばし考えてみて、
「(まぁ、いついつも日本酒っていうのも先方飽きてるかもだしなぁ。それに、これなら後でコッチが飲み切るのラクそうだから、こっちにするか)」
と、示されたサングリアをカゴの中に入れた。弁天様の気配が、一気に薄れた。

369 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/16(水) 23:13:10.47 ID:qi6sOBxg0

そして日は来て。
葬儀前日の現地入り初日で、やはり同じ道を通ったので今度こそ姉夫婦に頼んでその神社の前に車を停めて下ろしてもらった。何故か姉も挨拶したいとついてきたので、二人で鳥居を潜って階段を登って境内へと赴いた。
そこは、階段下からではわからない、足を運んだことを軽く後悔する程度に、中々に手入れのされていない神社だった。せめてもの救いは、荒廃気味なだけで、変な気配や嫌な気配がないことだったが。
このまま引き返そうにも一度足を運んでおきながら何もしないというのは流石に気が引けるものがあり、そして何より姉が勝手な不安を持ちそうだったのが面倒くさかった。
なので、忌部さんが眠っていた付近の神社本殿のかつての姿よりは相当マシだと思うことにし、ちゃんとある賽銭箱に百円玉を入れようとした、
ら、本殿扉前にいつもの弁天様が礼装に近い状態でおわして、軽く驚く。
が、目的は目的だと賽銭箱に百円玉を入れて手を合わせて頭を下げて目を閉じ、目を開けて顔を上げ戻スト、持ってきたサングリアを開栓してぐい飲みに注いでお供えし、もう一度手を合わせて頭を下げた。案の定、写し取って飲んだのは、いつもの弁天様だった。

私は取り敢えずぐい飲みに残されたサングリアを飲み干し、ティッシュに包んでサングリアもろともカバンに戻す。続いて、姉が普通に参拝し、そのまま車へと戻った。

姉夫婦の車に揺られながら思ったのは、あの神社は、本当に『神様(もとい社のヌシ的な存在)』がいなかったのだろうと。
その前にも似たようなことがあったと思い出す。気配こそ感じないが、一応と見かけた神社を参拝したのだが、その時に本殿前に佇んでいたのは、しだらだった。
「(多分、私があそこに参拝する気でいたのを察知していたから、なんだろうなぁ・・・ヌシがいない空虚な場所に、少なくとも『私』が参拝するのは連中にとってまぁまぁ面倒な事態を引き起こし金ないだろうから『アイツが拝んでいるのはおれだからな』っていアッピル&牽制でもしてんのか? んで、どの道供えられる酒を飲むのはジブンだからと、弁天様は飲みたい好みの酒を示したのかぁ)」
と、考えをまとめ切りって終了させ、あとはホテル到着後で伯母が奢ってくれるという付近の焼肉ディナーへのワクワクに思考をシフトした。

370 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/16(水) 23:13:41.95 ID:qi6sOBxg0


ちなみに、
各社で、神もとい社のヌシ在不在を深く追及するのは、私の中では絶大なるマナー違反だと位置付けております。気配が強いか薄いか、あるかないか、そのなんとなく程度にとどめて。
というのも、相手の在不在を問うということは先方からしたら、
「かみさまーーーーいませんかーーーーー!!!?いたら返事なりなんなりしてくださァアァアアい!!!いないんですかぁぁあぁあああ!!?ここまでしたらいないんですねぇえええ!!?いないでいいんですよねぇぇえぇええ!!?いたら出てきてくださいよぉおおぉおおお!!!(激しく呼び鈴押しながらドアを叩いて)」
という、人間のマスゴミかくやな行動でしかない可能性しかないためである。

自分がされたら嫌なことをしないのは、基本中の基本。


――――

371 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/23(水) 22:19:18.02 ID:xU2fvZam0
掲示板に書き込んで欲しくない話


それはここに書き込んだの大神神社旅行から帰って少ししてからのこと。

端的に言えば、三輪明神が怒りを見せていた。
と、いうのも、私がこの掲示板にアレコレを書いているからだ。

そして、とうとう怒りを露わにした。

――我らとのことをあの場に書き記すな

見てくれスキンが第五人格のハスターで、その隙間から垣間見せる荒魂のプレッシャー。それは完全なる威嚇だった。
並大抵の人間ならば、ここで完全に竦み上がって、感受性が強ければ失神か……或いは強すぎるストレス後遺症から『祟り』様症状を引き起こしていただろう。事実、私も一瞬だけ慄然とした。もし、この相手が本気を出せば、情報処理能力が肉体の稼働領域を出ない生身人間でしかない私は、与えられる情報のオーバーロードから、いとも簡単に廃人になるだろうと。

だとしても、だからこそ、どうしようもなく腹が立った。

372 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/23(水) 22:20:05.58 ID:xU2fvZam0


「(ァあ!!? 云うことに事欠いてソレか!!? ッざけんな!!)」
一瞬、怯まれた。
「(だいたいなぁ、アタシが掲示板に書いている、書かざるを得ないのはリアル対面でコッチ方面の話をできる相手がいないからなんだよ!!わかってんのか!?あんたらがアタシに関わってくれているせいでアタシは他に吐き出せる場所がねえんだよ!!あんたらがココに書いて欲しくない理由ぐらい、アタシにだってわかってるさ。ここに棲みついてヒトの感情をより煽って食らうヤツの存在を下手に増長させて万一事態でアタシに付け込ませたくないっていうのは。でもな、だったらテメーらハナからアタシに関わってくれるな!!それができないなら、せめてリアル対面でコッチ方面の話が通じてアタシ並みにリアリストな生身人間をアタシに寄越しやがれ!!それすらできないなら、静かに書かせやがれってんだよ!!それをソッチはなんだ!?上から一方的に『するな』だァ? ふざけんな!!一方的なそっち都合でこっちにやって欲しくないなら、せめて下手に出て代替案を提示してこい!!そんなの交渉の基本だろうが!!!)」
上からプレッシャーによって、日頃の鬱憤に導火線を点けられた結果のマシンガン反論。

三輪明神はたじろぎ、しばし悩んだ様子を見せると、
――二ヶ月 せめて今から二ヶ月は控えてくれ
と、残して気配を消した。

提示してきた『二ヶ月』でナニをするのかはわからないが、それが相手のできるせめてもの譲歩なのだろうと、残る怒りをなんとか宥めた。

そして今は今で、フツーに飽きている(徐々に空いている間隔でお察しだろうが)ので、別に三輪明神が上からプレッシャーを掛けてくる必要はなかった気もする。


――――

373 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/27(日) 18:59:11.14 ID:kYA/Xi9Ts

しだらがツいてから初めて迎えた節分のこと。

相も変わらずヒトの意識領域半分使ってフリーダムにしているヤツに意趣返しに、
ジブン意識領域半分内に入って、渾身の力で豆をぶつけてやった。

ら、

『神権蹂躙反対!!!』

一瞬で気力が削がれたんだ。

――――

374 :739 ◆Al9ki804zA:2022/03/27(日) 19:30:18.01 ID:ZkRjMTzSs

数日前に風宮さんをふとWおばさまWとうっかり呼んでしまい(先生をお母さん呼びしてしまったアレなカンカクで悪意はない、とはいえ)怒られる覚悟をしていたのだが、
当の風宮さんは浮き足だったような喜びを露わにしていたので脳内で疑問符を打っていたら、

どうやら同柱にとってはWおばさまWとは「威厳ある女傑」との捉え方のようで。

ソレはソレでいいのだが。
「(現代世間に於けるおばさんのイミを知った上でか?別に本神がイヤじゃなけりゃいいけど)」などと思いつつもその場はそれで終了。


そして一昨日あたりに改めて風宮さんをWおばさまWと呼んでみたところ、
表面上は柔らかく微笑んではいたが、内心で相当な怒りを抱えていらしてたのがオーラで察知できた。

女性の扱いは難しいと思った。


なお、
しだらはコノハナノサクヤヒメを対面で(但しヒトの背後に隠れて楯にしながら)『若作りババア』呼びして居合わせているコチラの肝をぜったいれいどにさせたことがある。
と、いうのも、しだらはかつてエリアの覇権争いでサクヤヒメ、の、眷属に敗北したことがあるからのようだった。

――――

375 :739 ◆Al9ki804zA:2022/04/06(水) 20:43:37.90 ID:NqAT1mn3s

この前密林にてタイムセールになっていた空気清浄機を買ったのだが、届いたので各カバーを外してスイッチ入れた瞬間にしだらが前位置をぶんどって座って風に当たっていた。
ドライヤーや扇風機でもそうだが、お前ほんと銀イオン風好きだよな。

376 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/01(金) 23:40:29.73 ID:VK329Z7+s

白い服と聞いて、ふと思い出したんだ。

去年の晩春ぐらいで、いつものように会社帰りでチャリを漕いでいたときのこと。
アタマがヒマ過ぎた私は、なんとはなしに忌部さんの豊かで長く白い髪を思い出していた。
女なら一度は憧れる長くて美しい髪。更に、ソレ自体が発光しているかのような、眩い白。女でなくとも溜息の一つは溢れるだろう。

「(いいよなぁ、忌部さんのアレ。カッコよくて。アタシもいっそ髪を白くしてみるか??? ベリショだけどwww)」

などとどうでも良過ぎることをやる気もないのに考えていたら、

『でも白は死人の色だぞ』
と、しだらがマジレスして来やがった。

気分がまぁまぁ良かったところに水をさされてカチンとキた私は、
「(そんなの知ってますぅううぅ〜〜〜白は元々ソッチ系の色で縁起がよろしくなくて白い服は死装束ぐらいだっこともぉおおぉおおおぉ〜〜〜西洋文化の流入でイロイロ変わって最たるのが花嫁衣装で元来は赤だとか黒だとかド派手刺繍だったこともぉおぉおお〜〜〜お前に指摘されなくてもぉおおぉおおお〜〜〜)」
と、自転車を漕いでなければ、確実に中指を立てていただろう煽り口調で返した。
消化しきれずに残った腹立たしさは、チャリのペダルを踏み締めて発散させた。

377 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/01(金) 23:43:06.10 ID:VK329Z7+s

そして、ソレから少し経過した同年の初夏。
新しいエアリズムパーカーを買おうと、私は映画の帰りにユニクロに寄って眺めていた。
「(日除けの上掛けレベルでいいから、熱を集める濃色系はナシで、淡色系で)」
と、考えながら淡色系を眺めていたら、白い色もそこにあった。
「(白かぁ・・・光を反射するには最強だから目的にはいいんだけど・・・いつぞや『死人の色』・・・じゃなくてもフツーに汚れが目立つしここまで真っ白だと燻んでくると結構みったくないイロになってくるんだよなぁ・・・)」
などとつらつら考えるも、所詮は日用品だと割り切ってカゴに入れた。他の淡色系も入れた。
そして、無駄に長い列を並び切り、会計を済ませて店の外に出た、

ら、
『うんうん、やっぱいいよなぁ、白い服って』
と、腕を組んで無駄に悦に入ってるしだらが。

その時に、私が思ったのは、
服はそんなに関係ないんか、アレは髪だけに限ったハナシだったんかい、そもそもお前は西洋かぶれだったよな、つかコレは私がジブンのために買ったのであってお前を喜ばせるためぢゃなくて、

からの、
「(コイツ、やっぱり殴り殺してやろうか)」というn度目の殺意に落ち着いた。

378 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/01(金) 23:44:30.99 ID:VK329Z7+s

余談

三年ほど前に服を探しにアウトレットモールに行ったのだが、そのときしだらはモールに入っていない系統の、所謂ピンハなロリータ服を持ってこちらに、にじり、よじり、してきていた。
「(お前、そんなんどっから持ってきたつかソレおれ絶対似合わないのになんで持ってくるん?)」
と、訊いてみたら、
『似合うか似合わないかは問題じゃない、着ているところを見てみたいんだッ』
と、力説される。

コイツだけはいつか絶対に殺すべきだと改めて思った瞬間だった。


――――

379 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/02(土) 21:18:04.47 ID:Daj6YctMs

酷暑続きで思い出したこと。

去年の夏期休暇期間(八月中旬)も、今のような、いや、七月丸々でじっくりと熱がアスファルトやらコンクリートやらに吸収され切っていたため、体感今よりキツい酷暑が続いていた。
況して私が住んでいるのは、n階建てn階の角部屋という夏に殺されるためにあるような場所。他の部屋より多い外壁は太陽光を思う存分に吸い切るので、エアコンを忘れようものなら、人間も死ぬが電子機器も死ぬ。そんなレベルである。(なおこの物件までに至るエピは長くなるので気が向いたときに。ちな、夏以外は基本的に快適で管理会社の対応も素晴らしい)

そして、休暇も終わりに近づき始めたの夜のこと。
私は、寝ようとベッドで横になってはいたものの、うんうん唸るだけで入眠までには至れなかった。眠いのに、この前年に管理会社が無料新調してくれたエアコンも大して効かない暑さで寝付けず、相当に苛立っていた。

眠いのに眠れないフラストレーション。終わりの見えない暑さとあいまって軽い恐怖が生まれ、直後に莫大な怒りが発生するのは最早お決まりパティーン。
「(なんでいつまで経っても暑いままなんだよ、バカヤロウ・・・!! いい加減にしやがれよクソが!!!)」
当たる場所もないのに、八つ当たりし始める体たらく。ハラに溜まった怒りを口から超高周波音で吐き散らかし始める。まぁ、当たる場所がない、もとい危害対象がないからこそ敢えてやったというのもある。ソレは相当量のエネルギーを使うので、やれば疲れて寝落ちするだろうという打算もあって。

ややして粗方エネルギーを使い切ると、不意にしだらに上体を抱き上げられた、気がした。

そして、コイツにしては珍しく、しおらしく、どこか申し訳なさそうな気配だった。

――ごめんなぁ でもな おれら焼き殺さなくちゃいけないんだ

云われたその内容。
ちょうど無駄なエネルギーが消費され切ったのもあって、アタマの一部分が妙な冷静さを持った。
「(そうなの。ちゃんと目的があるのね。目的があるなら、達成されたら終わるってことなん、)」
そして、妙な冷静さから妙な安堵が生まれ、私は意識なくスッと闇に落ちていった。ただ、しだらが上体を抱く気配だけは、続いていたと思う。

迎えた朝も、やっぱり暑いままだったが、
怒りのままに暴れ切ったせいか、多少なりともスッキリした気分で起きられた気がした。


――――

380 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/02(土) 21:26:42.45 ID:Daj6YctMs
ん?これ去年だった???それとも一昨年だった???

まぁ、内容自体には関係ないか。

381 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/10(日) 21:08:01.93 ID:+9I4jxoRs

もうそろそろしだらがキてから七年だという事実に驚く。
なんか十年以上経過している気もするが、実際はそんなもんかぁ、と、なんか気怠い気分に見舞われた。

しだらとの出会いは、誰に読まれることがなくとも過去との決着という意味でいつか書いていきたいのだが、
いかんせん、そもそも長い&そもそも結構昔、な上に、そもそも当時の心身の損壊っぷり(のせいで記憶情報の洗い出しやら照合やら)で、まぁまぁ、まぁまぁ。

ただ、時折思うのは、もし私があの映画館を選ばないで、あの神社に訪れたなかったら、お互いどうなっていたのか。
でも、だったらだったで、私はいつかヤツレベルな力量の別の物好きについてまわられ(多くのザコ連中について回られる状況を打ち止めたくてしだらは殺せなかった)、ヤツはヤツでいつか別の不幸()なオンナを理由にジブンにかけられた封をブレイクしたんだろうな、とは。
お互いがお互いでなければならない必要性はどこにもなく、たまたま私がヤツで、ヤツが私だった。そして、状況が今と大して変わらないだろうことも。
今と大差がないだろうことはわかってはいても、ifの世界線を考えてしまう。

しだらと出会わなかった私は、ちゃんと死ねて、魂や精神は崩壊し切って何処にも囚われずに済んだのだろうか、と。
そんな私がいるのならば、私はそのifの私に対して、今でも羨ましさを覚えずにはいられないのだ。

382 :739 ◆Al9ki804zA:2022/10/09(日) 18:02:31.85 ID:uj0yN5gH0

寒すぎて石油ストーブを出して、ふと思い出した。

一人暮らしを再開して初めての冬が論外過ぎる寒さで石油ストーブの必要性を痛感し、次の夏に季節外商品として安値をで購入した。
そして、いざ冬を迎えようとしていた晩秋、灯油を購入して帰路についていた途中、ふと思い出した。しだらの大元が木だったこと。

「(山神とか樹林霊とかの類に火気っていいんか? まぁ、ダメでも使うが)」
結局、思い出したところで何も変わらないので、それ以上深く考えなかったが。


そして帰宅して灯油の詰まったタンクを何とはなしに床に置いたら、
しだらが、
緩 ん だ お 花 畑 オ ー ラ を 漂 わ せ て 灯 油 タ ン  ク に 頬 擦 り し て い た 。

その様相にヤツへのn回目なドン引きしたが、
そもそも、ヤツはニンゲンに与する土着神なのだから火などアタリマエであり、出自を考えれば山火事など自然サイクルの一環でしかない。っていうか、なんだったらコイツ、ジブンの一部を燃料だのなんだのとして喜んでホモサピエンスに差し出していたヤツだったわ。

「(に、しても、キメェ)」
尚もお花畑オーラを漂わせるヤツにシンプルな感想を改めて抱き直し、私は灯油タンクを火気の無い場所へと収納した。


なお、その年に初めてストーブを点けたら、しだらが前をぶん取ってしゃがんで両手を前に翳していた。
おい、おい、土着神よ、をい。


――――

383 :739 ◆Al9ki804zA:2022/10/09(日) 18:12:08.96 ID:uj0yN5gH0
最近、今更にミクシ(ID:68124722)を始めたんだ。番号載せたのは、単に『同一人物』証明として。
理由は「いい加減に、ナニをドコまで書いてきたのかジブンでわからなくなってきた」からコピペ倉庫に。ブログよりもコッチのがマシかなぁと。
とはいえ、元が物臭なので、コピペすらめんどうがる体たらく具合なんだ _(:3」∠)_

384 :739 ◆Al9ki804zA:2023/04/11(火) 19:15:45.52 ID:q+xYA6Fc0

前回までのあらすじ。
先の選挙で投票所に行くもそこで風邪をもらってしまうが諸事情で今週の仕事量が未知状態のため休めず出勤し、やはり出勤して正解だったものの症状が悪化して「(こら、アカン)」と翌日なんとか午後に半休をもぎ取ったが、帰宅後に飯食った後アツアツの風呂に入って電気毛布を低温火傷ギリギリまでセットしてスポドリをがぶ飲みして寝てガン汗かいたらほぼ完治してしまうも、休みを撤回するもの面倒だったため正午で退勤し、大回りでとあるターミナル駅に到着した。

会社からは結構面倒な場所にあるこのターミナル駅に来たのは、某うどんチェーン店の限定製品を食べたかったからだ。
ツイッターで見かけて食べたくなったものの、同チェーン店は家や会社までの通勤路付近にはなく、行こうと思ったらここの面倒な場所になってしまう。
そして気分がアガった状態で店先に行くと、今あるメニューの看板があった、が、おかしい。そこに限定製品の写真も表記もない。
「(え?)」
と思った私は、すぐさま近くのコンビニに赴いて、無料ワイファイでタブレットから調べた。どうやら、件の限定製品は全店舗で展開しておらず、同メニューが無い店舗は別製品を限定展開しているようだった。

あんなにツイッターで煽っといてコレかよ。
私の失望は、そこそこだった。

確かに、別限定製品も美味しそうではある、が、私は目当てが食べたくてわざわざこの駅まで来たのだ。
それを別限定製品に鞍替えするのは、なんか悔しかった。

そして、ふと思ったのは、ここから少し歩いた先にある、昼から営業している飯にも強いバー。そこの、限定春野菜メニュー。

どうせならそこで昼のみするか、と思って歩みを進めたら、不意に引き留められる気配がした。
なんだと思って意識を向けたら、三輪明神がやや恨みがましそうに未練たらたらにコッチへ存在感を飛ばしていた。

385 :739 ◆Al9ki804zA:2023/04/11(火) 19:17:34.85 ID:q+xYA6Fc0


「(あー)」
と、思った。三輪明神、そこのうどん屋のサイドメニューである半熟玉子の天ぷらが欲しかったようである。
しかし、ご時世がご時世。私はもう一回うどん屋の前に行って、立て看板メニューに書かれてある注意書きに目を向けて、意識を三輪明神に向けた。
「(今、鶏インフル。で、『玉子関連製品で品切れ起こす場合アリ』って書いてある。無い可能性があってもいいなら、入るけど)」
と、説明すると、三輪明神、顔(らしき部位)を空に向けて『おのれとりいんふるめ……!!』と拳を握ってわななかせていた。
私としては、目当てが無い以上、どっちでもどうでも良かったのだが、ここでふと別の存在感に気付いて意識を向けた。弁天様だった。
珍しい、と思ったのも束の間。どうやら弁天様は、ビアバーにある限定春野菜メニューが欲しいよう。それこそ珍しい。特に何も無いのに、ジブンの希望を同柱が出すなんて。
しかし、そんな私の軽い驚きとはお構いなしに、三輪明神と弁天様はお互い軽く睨み合うと、互いに自身の拳を握り合う。
「(喧嘩?名のある山霊と水精が?)」と思ったが、次の瞬間脱力した。

『『じゃーん!!けーん!!』』
まぁ、確かに、ヒトの後ろ次元で何度も第n次スーパー旧神大戦を繰り広げていたしだらとマコさんよりは余程に和平的で理知的な勝負には、違いない。

結局一発で勝負がついて(或いは玉子天ぷらが無いかもしれない現実に三輪明神のやる気がそこまで無いがために)バーへと赴くことになった。

春野菜グリルは美味しく弁天様も満足されたよう。何気にしだらががつがつ食っていたが、無視しようと思う。気温が高い日のジンソーダ一気飲みはのど越し最高ッ
だが昼飲みにジンソーダはどことなく物足りないので、追加でサーバー注ぎビールと前々から食べたいと思っていた切り落とし肉のミートソーススパゲティ。

いやー、昼飲みって、ほんとサイコー!!
しかも病み上がりだから、アルコールとカロリーが、カラダにより染み入りましたわ!


――――

386 :739 ◆Al9ki804zA:2023/08/16(水) 19:47:39.46 ID:Vb+opg/S0
松屋で今年の夏野菜メニューが出て思い出す。

数年前に、名称が確か『ラタトゥイユカレー』なるトマトベース夏野菜カレーが松屋で出て、仕事帰りに食べに行ったのだが、

出てきたソレに反応を示したのは、珍しく遣使さん。
『潰した赤茄子(註:トマトの古称)のたれ掛け飯かっ』

語彙のチョイスに、おれ、
「(たれ掛け、たれ、……まぁ『カレー』のそもそもの意味も確かに『たれ』だから間違っちゃあいないけど、たれ……つか赤茄子って単語マジで使うヤツおったんか……ってそれともダイレクトに言語記号を用いてクるなんてどんだけだよ)」

連中は基本的に所謂“念話”である。言葉は基本使ってこない。
ただ、このテの各エピソードを外在化させる際には先方の“念具合”によって私で言語記号化している。とは言え、そこそこの連中は言語記号がわからないワケでもなく、使えなくもない。が、だとしても連中自身で必要とする機会もないため使ってくることもそうない。
(なお私はジブンの思念や意図を連中に伝える際には大体ダイレクトにではなく、各言語記号をソレの“容れ物”として用い、その上で連中に罵倒や軽口、腹芸をしている。そんな私にとって、言霊信仰とはガワ信仰な印象)

のに、使ってきたワケだ。
チェーン店の期間限定メニューに対して。勤労勤勉生真面目無表情がデフォルトの、このヒトが。

『赤茄子に米が合うとは……茄子に黄のししとう(註:たぶんパプリカ)、うり!!(註:おそらくズッキーニ)』
と、コッチのカラダを介してがっつく様相にまぁまぁ引いた。
美味いことは美味いが、あなたそんなキャラだっけ?と。ビミョーに物悲しい気分に。


なお三輪明神は温玉と一部ライスを崩した温玉ライスを嗜んでおり、しだらはしだらで味噌汁を楽しんでいた。

この二柱に関しては、もう諦めの念しかないんだ。


――――

387 :名無しの霊体験:2024/03/17(日) 01:09:06.70 ID:wHZAAP050
店長さんもういないのかな?
あれから加代さん関連で何か話とかないんだろうか?

388 :名無しの霊体験:2024/03/23(土) 21:06:42.30 ID:Wjc4JPBM0
加代さんは行くべきところへ行ったんじゃなかったっけ
旦那さんになるはずだった人一緒に



掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail (省略可) :
画像: